1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07451102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
村田 経和 学習院大学, 文学部, 教授 (10080417)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 茂 学習院大学, 文学部, 教授 (30080419)
新保 雅浩 学習院大学, 文学部, 教授 (20081094)
下宮 忠雄 学習院大学, 文学部, 教授 (90101592)
轡田 収 学習院大学, 文学部, 教授 (90051325)
岩淵 達治 学習院大学, 文学部, 教授 (40080410)
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Keywords | 異文化 / 多文化社会 / ナショナリズム / 統一ドイツ / 旧東ドイツ / 旧西ドイツ |
Research Abstract |
本研究は本研究チームが平成1年以来(科研の枠で)手がけてきた考察の延長上にあるもので、前回の通時的観点からの確認作業を踏まえ、統一後5年を経て、旧東、旧西ドイツ各地で頻発している、あるいは現ドイツが抱えている切実な問題を、「多文化社会と異文化干渉」という観点から捉え、これを思想的、文学的、言語的、社会的、文化的側面から多角的に考察しようと言うものであった。本年度は本研究計画の2年目に当たり、つぎのような研究活動を行った。 1 前年度の研究成果を踏まえた上で、多文化社会の具体的問題を次のように考察した。 (1)ドイツ在住の外国人の問題、戦後のユダヤ人問題が現代ドイツでどのように扱われているか究明した。 (2)現在、旧東ドイツのみならずベルリンでも外国人排斥運動が激化しているが、ナショナリズムに関する本研究のこれまでの成果を踏まえ、外国人問題とナショナリズムの関係について考察した。 (3)さらにドイツにおける文化理念とナショナリズムを考究した。 (4)差別、非差別の問題を扱い、ジェンダーと文化について考察した。 2 ナショナリズムの発生の条件を通時的に整理し、統一後のナショナリズムがどのような性質を持つか、次のように考察した。 (1)旧東ドイツと旧西ドイツのそれぞれにおける言語表現とドイツ文化意識の関係を文学的側面、言語的側面から考察した。 (2)統一後のナショナリズムとかつてドイツ史上に表れたナショナリズムとの共通点と相違点を文化意識という観点から具体的に考究した。 *尚、多文化社会と文化意識との関係については次年度扱うことにした。
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Research Products
(20 results)
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[Publications] 岩淵達治: "ドイツ演劇 1995年" Theatre year Book 1996(国際演劇協会). P184-187 (1996)
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[Publications] 岩淵達治: "「こわれがめ」のアダム" 悲劇喜劇(早川書房). 49・7. P11-P13 (1996)
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[Publications] 岩淵達治: "壁崩壊後のブレヒト" テアトロ(テアトロ社). No.645. P28-P32 (1996)
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[Publications] 岩淵達治: "知られざるミュラー 生産劇を中心として" ユリイカ(青土社). 28・6. P148-P157 (1996)
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[Publications] 岩淵達治: "三つのドイツを生きた演劇人-ハイナ-・ミュラーを悼む" 世界(岩波書店). 622号. P316-P321 (1996)
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[Publications] Tatsuji Iwabuchi: "Nachruf auf Heiner Muller-sehr privat" ドイツ文学(Die Deutsche Literatur)(日本独文学会). Heft97. P154-P156 (1996)
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[Publications] 岩淵達治: "ハイナ-・ミュラーの死" ドイツ研究(日本ドイツ学会). No.22. P34-P37 (1996)
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[Publications] 早川東三: "Einige Merkmale des NS-Deutsch im Jahre 1934" 岩崎英二郎古希記念論文集(仮題)〈6月上旬発行〉. P372-P380 (1997)
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[Publications] ONUKI,Atsuko: "Das Versagen einer politischen Semantik" A.V.H.-Stifting,Mitteilungen. Nr.67. P21-P26 (1996)
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[Publications] 下宮忠雄: "Unity and Diversity of Germanic Languages" 学習院大学言語共同研究所紀要. 20. P86-P90 (1996)
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[Publications] 下宮忠雄: "El espan^^〜ol vs.otras lenguas romnanicas" Actas del Cuarto Congreso de Hispanistas de Asia. P577-P580 (1996)
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[Publications] 保阪良子: "ドイツ語とフェミニズム言語学" 学習院大学ドイツ文学会研究論集. 1. 141-173 (1997)
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[Publications] 轡田収: "ドイツの教養 日本の教養" 文学. 第7巻第4号. P20-P23 (1996)
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[Publications] 轡田収: "ドイツ近代文学の成立とナショナリズムの誕生" 学習院大学文学部研究年報. 第42巻. P175-P225 (1996)
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[Publications] 轡田収: "文学の中の都市-文学表現における大都市の発見-" 寺尾誠編著『都市と文明』. P8-P35
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[Publications] 岩淵達治: "演劇の「近代」(中央大学人文科学研究所)" 近代劇について, 9 (1996)
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[Publications] 岩淵達治: "演劇の「近代」(中央大学人文科学研究所)" ドイツ文芸におけるナショナリズムの発端と終焉, 20 (1996)
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[Publications] 岩淵達治: "ゲーテ年鑑38巻(日本ゲーテ協会)" 戦後の『ファウスト』演出, 17 (1996)
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[Publications] 川口洋: "キリスト教用語独話小辞典" 同学社, 348 (1996)
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[Publications] 朝倉治彦/三浦一郎: "世界人物逸話大事典(共編者として)" 角川書店, 1178のうち2 (1996)