1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454012
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西川 青季 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004488)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 泰宏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90250662)
高木 泉 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40154744)
新井 仁之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10175953)
納谷 信 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70222180)
板東 重稔 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40165064)
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Keywords | 非線形問題 / 大域的変分問題 / 調和写像 / 強擬凸CR多様体 / モジュライ空間 / 自己双対計量 / 複素クライン群 |
Research Abstract |
本研究の目的は、各種の幾何構造の変形やモデュライの研究に現れる被線形問題を、大域的変分問題の立場から、系統的に研究することである。今年度の研究においては、次ぎのような成果を得た。 (1)西川は、非コンパクト完備リーマン多様体間の調和写像の存在問題について研究した。とくに、このような多様体の典型的クラスである負曲率等質リーマン多様体とその理想境界に対して、調和写像の無限遠ディリクレ境界値問題を考察し、(a)一般化されたハイゼンベルグ群に付随して得られるDamek-Ricci空間や、(b)Carnot群に付随して得られる負曲率等質空間の場合(これらはいずれも対称空間でない)にも、階数1非コンパクト型対称空間の場合と類似の存在定理が成り立つことを証明した。 (2)一方、新井は巾零群上の擬微分方程式の解の最適な評価を得ることに成功し、その応用として強擬凸CR多様体上の接Cauchy-Riemann方程式の解の最適な評価も証明した。 (3)板東は、コンパクト・ケーラー多様体上の安定正則ベクトル束上のアインシュタイン・エルミート計量の退化について研究し、このような束のモデュライ空間がreflexive sheafを境界に付け加えることによりコンパクト化できることを確かめた。 (4)納谷は、リッチ曲率が正の自己双対計量の研究を進め、リッチ作用素が非負の自己双対多様体で射影平面の連結和以外のものをすべて分類することに成功した。また、階数1局所対称空間の理想境界上の擬共形構造と両立する擬リーマン計量の標準的構成法を与えた。さらに複素双曲型多様体の場合に、この計量に対応する田中-Webster接続の曲率を計算し、その符号が対応する複素クライン群の極限集合のハウスドルフ次元によって決定されることを示した。 これらの結果は、研究代表者を中心とするセミナーにおける共同研究により得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Arai: "Degenerate elliptic operators,H^〓 spaces and diffusions on strongly pseudoconvex domains" Proceedings of Geometric Complex Analysis. in press (1996)
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[Publications] S.Nayatani: "Morse indices of Yang-Mills connections over the unit sphere" Composito Mathematica. 98. 177-192 (1995)
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[Publications] S.Nayatani: "Patterson-Sullivan measure and conformally flat metrics" Mathematische Zeitschrift. (to appear).
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[Publications] S.Nayatani: "Self-dual manifolds with positive Ricci curvature" Mathematische Zeitschrift. (to appear).
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[Publications] W.-M.Ni: "Point condensation generated bya reaction-diffusion syatem in axially symmetric domains" Journal of Industrial and Applied Mathematics. 12. 327-365 (1995)
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[Publications] S.Nishikawa: "Lectures on Geometric Variational Problems" Springer-Verlag, 160 (1996)