1996 Fiscal Year Annual Research Report
準線形双曲・楕円型連立方程式系の初期値問題に関する研究
Project/Area Number |
07454029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川島 秀一 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (70144631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理学研究科, 助教授 (70155208)
國田 寛 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (30022552)
隠居 良行 九州大学, 大学院・数理学研究科, 講師 (80243913)
宮川 鉄朗 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (10033929)
吉川 敦 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (80001866)
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Keywords | 双曲・楕円型方程式系 / 初期値問題 / 時間大域解 / 漸近安定性 / 希薄波 / 衝撃波 |
Research Abstract |
輻射気体の運動を記述する圧縮性オイラー方程式と楕円型方程式の連立系、および、その最簡約版モデル方程式系に関連して研究を行い、以下のような成果をあげた。 1)最簡約版モデル方程式に対し希薄波の漸近安定性を示した。希薄波は非粘性バーガース方程式の有心希薄波を用いて定義される。その安定性の証明では、希薄波の滑らかな近似を利用するが、その近似を粘性バーガース方程式のリーマン問題の厳密解を用いて構成した。この厳密解の高階までの導関数の詳細な評価を与え、それを基に、希薄波の漸近安定性をその摂動の減衰率も込めて示すことに成功した。従来の近似法では速度成分の安定性がいえるだけであったが、本近似法はその欠点を補い、減衰率の高い熱流成分の安定性をも示すことを可能にした。本近似法は、類似の系の希薄波の漸近安定性の解析に広く応用できるものと期待される。 2)同じ最簡約版モデル方程式に対し、進行波形の衝撃波の存在とその漸近安定性を示した。まず、強い衝撃波は不連続衝撃波を内在すること、弱い衝撃波はその弱さの程度に応じて高い微分可能性をもつことを確かめた。これは進行波形の衝撃波に関してこれまでに知られていなかった現象であり、興味ある結果といえる。さらに、3階微分可能な衝撃波は常に漸近安定であることを、その摂動の減衰率も込めて示すことに成功した。 3)圧縮性オイラー方程式と楕円型方程式の連立系を特別な場合として含む、一般の双曲-楕円型連立系についても、その一般的な枠組みを設定することを試みた。これに関して、局所解の存在、大域解の存在とその漸近挙動、双曲-方物型連立系による近似等の事項について、本研究の最終年である来年度においてまとまった成果をあげるめどがたった。
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Research Products
(1 results)