1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454057
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
久野 良孝 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助教授 (30170020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 貴志 大阪大学, 理学部物理, 助手 (80212091)
尾崎 均 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助手 (10177214)
岡田 安弘 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助教授 (20212334)
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Keywords | B中間子崩壊 / 時間反転不変性の破れ / τ粒子 / ニュートリノ / シリコン・ストリップ検出器 / D中間子 / D^*中間子 / スピン偏極 |
Research Abstract |
本研究計画では、B中間子のセミ・レプトニック崩壊B→D(またはD^*)τ^+ν崩壊でのτ^+のスピン横偏極(崩壊平面に垂直な成分)を測定し、時間反転不変性の破れの探索実験の可能性の検討している。時間反転不変性からは、P_Tは零でなければならない。有限値のP_Tが測定されれば、時間反転の破れが発見されたことになる。この研究ではP_Tの測定精度として10^<-2>が可能であるかどうか検討する。この実験の問題点は、B中間子崩壊からとτ粒子崩壊から合計二つのニュートリノ(ν)が生じるため、τ粒子の方向・運動量の直接測定が出来ないことである。しかし、我々は、τ粒子の寿命が長いことに注目し(0.3psec)、もしB中間子の崩壊位置とτ粒子の崩壊位置が空間的に分離し、それぞれの崩壊点がシリコン・ストリップ検出器(Silicon Strip Detector=SSD)などのvertex測定器で決定できれば、すくなくともτ粒子の飛行方向が測定でき、D(またはD^*)中間子の運動量ベクトルと組み合わせて、崩壊平面が決定できるというアイデアを提案してきた。 平成7年度では、主として、LUNDを使ったモンテカルロ計算を行ない、B中間子のセミ・レプトニック崩壊において、τ粒子の横偏極を測定する実験での検出効率を検討した。そこで、モンテカルロ計算において、B→DτνおよびB→D^*τν崩壊において、シリコン・ストリップ検出器の到達可能な位置分解能を仮定し、この崩壊モードをどの程度の検出効率で同定できるか検討した。また、一方、D^*中間子の場合はその崩壊位置でもって、B中間子の崩壊位置とすることができるが、D中間子の場合は、その寿命が長いため、衝突係数などの値に頼らなければならない。これらを考慮し、現在の予備的な計算では、約2%の検出効率が可能であると思われる。
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