1997 Fiscal Year Annual Research Report
励起希ガス雰囲気中の半導体クラスター生成とその応用
Project/Area Number |
07454070
|
Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
前田 敏輝 石巻専修大学, 理工学部, 講師 (80202307)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁科 雄一郎 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (90005851)
|
Keywords | 微粒子 / クラスター / ガス中蒸発法 / カーボンナノチューブ / ラマン散乱 / 半導体 / 原子発光スペクトル / 空間分解スペクトル |
Research Abstract |
本研究では主に炭素C,シリコンSi,ゲルマニウムGeなどの4族元素について,ガス中蒸発法による半導体クラスターの生成過程と,生成したクラスターおよび超微粒子の構造・物性の評価を行った. (1)希ガス励起状態と超微粒子の構造の相関. ガスに導入した放電電流によってArガス原子を電子励起させた状態に設定し,この励起希ガス雰囲気中でGeの超微粒子を作製した.透過型電子顕微鏡による晶癖評価,結晶構造回析,ラマン分光によるフォノン構造評価などの方法を用いて,超微粒子の構造と希ガス励起状態との相関を調べた. (2)励起希ガス中蒸発法によるGeクラスター生成時の発光スペクトル. 励起原子およびイオンの発光強度はAr,Geともにルツボの上1〜2cmで最も大きく,そこから急激に強度が低下することが,発光スペクトルの空間分布測定から明らかになった.同時にスペクトル形状(発光線の相対強度)にも空間依存性が観測された.Ge原子の空間密度,Arガス温度,プラズマ中電子温度のなどの状態量をスペクトルから推定し,クラスター形成反応のダイナミクスについて考察した. (3)希ガス中アーク放電法により作製されたカーボンナノチューブのラマン散乱. アーク放電法によるカーボンナノチューブは,ガス冷却過程で形成されるナノ構造体の極めて特殊な場合としてとらえることができる.本研究では450〜800nmの励起光波長を用いて単層ナノチューブの共鳴ラマン散乱を測定し,ナノチューブの構造(チューブ半径やカイラリティ)と電子状態,さらにそれらの相互作用に関して考察した.ラマンスペクトルに観測される特異な構造は,フォノンおよび電子状態のナノチューブ周方向に生じる量子効果(zone-folding)とナノチューブの一次元性を反映した結果である.
|
Research Products
(1 results)