1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454076
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門脇 広明 東京大学, 物性研究所, 助手 (70194876)
|
Keywords | 近藤半導体 |
Research Abstract |
近藤半導体CeNiSnにおいて形成されると考えられているエネルギーギャップを中性子散乱法で直接観測することが本研究の目的である。この測定を行なうのに最も大きな問題は強度が不足してシグナルが観測できなくなることであるので、この困難を解決することが本研究の課題となっている。平成7年度の計画は強度を上げるための装置開発であり、それは冷中性子ガイドに設置されている三軸型分光器のアナライザーを水平方向にもフォーカスできるものに置き換えて、エネルギー分解能はコリメーターを使っている条件の値に保ったまま、全立体角を大きくとって強度をかせごうということを目標にした。まずパイロリティックグラファイトの結晶の大きさやモザイク幅などのアナライザーのパラメターを変えてシミュレーションを行ない、当初の予定どおりのエネルギー分解能を持つものが実現可能であることを確かめた。またシミュレーションの結果から、20mm(横)×30mm(縦)の大きさでモザイク幅100´(FWHM)グラファイトを8(横)×3(縦)個ならべてアナライザーを製作することが最適であることが判明した。これに従って各コンポーネントを購入、作製し、現在ハードウエアを完成させたところである。平成8年3月にはこれの性能を調べるために中性子ビームを使ったテスト実験を行なう予定にしている。このアナライザーを使った時に三軸型分光器がどんな性能を持つか、そしてそれはCeNiSnのギャップにどのような知見を与えてくれるかが平成8年度の課題である。
|
Research Products
(1 results)