1996 Fiscal Year Annual Research Report
スーパークリーン超伝導体の超伝導状態におけるホール効果に関する研究
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07454078
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| Research Institution | University of Tokyo |
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Principal Investigator |
為ヶ井 強 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30183073)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芝内 孝禎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00251356)
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| Keywords | スーパークリーン / ホール効果 / 高温超伝導体 / 磁束 |
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| Research Abstract |
混合状態での磁束の運動は、常伝導コアのホール効果を反映して、電流と磁場に垂直方向の電場すなわちホール電場を発生させる。しかし、常伝導コアでの準粒子の準位幅が超伝導ギャップに比べて狭いスーパークリーンリミットにある超伝導体では、磁束のダイナミクスは通常の場合と異なると理論的に予想されている。
本年度はこれまで詳細な研究が行われてこなかったBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>について良質の単結晶をFZ法により成長し、輸送電流を流した通常の方法で電気抵抗(ρ_<xx>)とホール効果(ρ_<xy>)の測定を行った。Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>の大きな利点の一つはこの系において磁束のピン止めが非常に弱いことにある。超伝導状態では磁束の運動が抵抗およびホール効果の原因であるため、Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>では広い温度・磁場範囲でホール効果の測定が可能となる。Vinokurらによるとホール抵抗率ρ_<xx>はピン止めの影響を受けるが、ホール伝導度σ_<xy>(〜ρ_<xy>/ρ_<xx>^2)にはピン止めの影響が現われない。また、σ_<xy>は準粒子の寄与(∝B)とボルテックスの寄与(∝1/B)に分解できる。そこで我々は以下の式でホール伝導度の磁場依存性を解析した。
σ_<xy>=C_1・1/B+C_2+C_3・B
準粒子の寄与を与えるC_3は超伝導転移温度(T_c)以下で大きくなる。このことは、超伝導状態において準粒子の散乱時間が伸びることに対応すると考えられる。低温では、準粒子の数の減少が散乱時間の増大に打ち勝ちC_3は減少に転じる。一方、ボルテックスの寄与を与えるC_1はT_c以下で負の値をとり、低温で正に転じる。このふるまいはボルテックスコアのチャージアップを考慮したモデルで説明できる温度依存性である。
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[Publications] T.Tamegai,et al.: "Demensional crossover of quantum collective creep in Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>" Czech.J.Phys.46. 1733-1734 (1996)
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[Publications] T.Tamegai,et al.: "Magnetization anomaly and mixed state phase diagram of κ-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2" J.Low Temp.Phys.105. 1733-1736 (1996)
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[Publications] S.Ooi,et al.: "Anomalous temperature dependence of the peak effect in iodine-intercalated Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y> single crystals" Physica C. 259. 280-286 (1996)
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[Publications] T.Shibauchi et al.: "Temperature dependence of anisotropic penetration depth in under-and overdoped Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+y>" Physica C. 264. 227-232 (1996)
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[Publications] D.T.Fuchs,et al.: "Simultaneous resistivity onset and first-order vortex-lattice phase transition in Bi_2Sr_2CaCu_2O_8" Phys.Rev.B. 54. R796-R799 (1996)
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[Publications] T.Shibauchi et al.: "Microwave response of Josephson plasma in κ-(BEDT-TTF)_2Cu(NCS)_2" J.Low Temp.Phys.105. 1715-1718 (1996)
