1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454087
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
西尾 豊 東邦大学, 理学部, 助教授 (20172629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 雅史 東邦大学, 理学部, 講師 (00231423)
梶田 晃示 東邦大学, 理学部, 教授 (50011739)
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Keywords | 金属-非金属転移 / CDW / 相転移 / 反強磁性転移 / 比熱 / 潜熱 |
Research Abstract |
DCNQI-Cu系は加圧下で温度の低下に伴って金属-非金属さらに温度を下げると、20-40Kの低温領域で再度金属へ転移を示す非常に特異な物質である。昨年度はリエントラント転移の高温部の転移を中心として比熱、潜熱を試料をかえながら系統的に測定し、転移温度の上昇に伴って潜熱およびエントロピーの跳びが増大し、絶縁体相のエントロピーとあわせて考えると、金属相のエントロピーの温度依存性はほぼ温度に比例するものとなることが明らかとなった。本年度は低温部の絶縁体-金属転移領域を中心として研究を進めた。特に金属相、絶縁体相の比熱を比較することにより、昨年度試料を変えることにより見積もった金属相のエントロピーの温度変化は金属相のエントロピーは圧力依存性が無いと仮定してえられたエントロピーを単一の結晶で精度良く得ることを目的とした。本研究の遂行のため、単結晶で、潜熱の測定、比熱の測定が可能になるよう測定回路およびシステムの改良を行った。その結果、熱緩和法からは20-40Kの20Kにもわたる金属、絶縁体相の比熱の比較を精度良く求めることが可能となり、温度に比例する金属相の電子系のエントロピーを確認した。また同時に断熱法もあわせて測定し、低温領域の潜熱、エントロピーの変化より、金属相のエントロピーを明らかにした。この測定法を利用して他の超伝導体をも含む有機伝導体の比熱を高温部まで測定を行った。その結果、単純なデバイモデルからの破綻が5Kで、すでに起こり始めており、有機伝導体特有のさまざまなモードが重なり合った複雑な比熱を示すことがわかった。
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[Publications] T.Tega Y.Nishio,et.al: "Magnetic and Thermal Properties under uniaxial Stress of (DMe-DCNQI)_2Cu" Synth.Met.71. 1953-1954 (1995)
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[Publications] Y.Nishio,N.Someya,et.al: "Giant peak in the specific heat of selectively deuterated (DMe-DCNQI)_2Cu" Synth.Met.71. 1947-1948 (1995)
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[Publications] M.Tamura,N.Someya et.al: "Correlation Between the thermal and Magnetic Properties of (DCNQI)_2Cu" Mol.Cryst.Lig.Cryst.285. 285-288 (1996)
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[Publications] Y.Tsubokura,et.al: "Gap Symmetry of Organic Superconductor K-(MDT-TTF)_2AuI_2 Determied by Specific Heat" Synth.Met.(in press). (1997)
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[Publications] N.Someya,Y.Nishio et al: "Thermal study of reentrant metal-insulator transition in deuterated (DMe-DCNQI)_2Cu" Synth.Met.(in Press). (1997)
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[Publications] Y.Nishio,T Tega et.al: "Thermal study of antiferro-magnetic ordering in deuterated (DMe-DCNQI)_2Cu" Synth.Met.(in press). (1997)