1996 Fiscal Year Annual Research Report
MBE法で製作した磁性金属人工格子の円偏光放射光内殻磁気円二色性による研究
Project/Area Number |
07454088
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
小出 常晴 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (10150012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
設楽 哲夫 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (50132684)
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Keywords | 磁性金属人工格子 / 分子線エピタキシ-法 / 円偏光放射光 / 内殻吸収 / 磁気円二色性 |
Research Abstract |
1.分子線エピタキシ-(MBE)装置用の試料基板準備槽を設計・製作した。試料基板の交換が手早く行えるように、Oリングシールによる開閉が可能な構造とした。 2.平成6年度までにすでに所持していたMBE装置用のE型電子銃、クヌードセンセル、水晶振動子膜厚モニター、低速電子線回折(LEED)装置、オージェ電子分光装置、試料マニピュレーター、真空バルブ、真空排気装置、及び平成7年度科研費で製作した反射高速電子線回折(RHEED)用電子銃を試料製作用超高真空槽(平成7年度科研費で製作)に組み込んだ。さらに、試料準備槽をバルブを介して試料製作用超高真空層に取付け、最終的にMBE装置として完成させた。 3.内殻吸収磁気円二色性実験の試料として使用するCo/Pt人工格子・多層膜試料を製作した。 4.小角および広角X線回折実験により、3.項の人工格子・多層膜の人工周期を調べ、ほぼ設計どうりの人工格子ができていることを確認した。また、磁気トルク測定により磁気異方性を調べ、Co層が非常に薄い試料では垂直磁気異方性を示すことを確認した。 5.円偏光放射光を利用して内殻吸収磁気円二色性実験を行った。これよりCo層が非常に薄い試料では、Co3d軌道磁気モーメントが大幅に増大していること、及びCo3dバンド幅が狭くなることを見いだした。また本来は非磁性のPt原子に、Coの磁気モーメントと強磁性的にカップルする磁気モーメントが誘起されていることを見いだした。
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