1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454093
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 信幸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60023719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 惇二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70192375)
二瓶 仁 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (70010973)
吉田 善章 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80182765)
小川 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90144170)
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Keywords | 超冷中性子 / 中性子寿命 / 中性子輸送 / UCN磁場閉じ込め |
Research Abstract |
核融合研究で開発された磁場によるプラズマ閉じ込め方式を利用して、磁気双極子モーメントを持つ中性子の輸送、閉じ込めに関する基礎研究を行なった。一般的な従来の方式は中性子ミラーによる反射を利用する方式であるが、磁場を利用した方式では、ミラーの表面や接続部で起こる中性子の損失や漏洩が避けられ、中性子の純粋な輸送、閉じ込めが実現できる。 (1)多極磁場配位を用いた中性子輸送 断面5cm×3.5cm、長さ30cmの真空配管外側に永久磁石列を配置し、配管内部にオクタポール磁場を形成し、中性子輸送の実験を行った。装置を京大原子炉実験所のUCN(超冷中性子)発生装置に取付けて測定した。測定結果は、中性子軌道についての計算機シミュレーションで得られた結果と一致し、多極磁場配位による中性子輸送の有効性が確認された。 (2)UCN閉じ込め装置の設計製作と予備実験 2種類の閉じ込め方式を検討した。(a)2本のリングコイルの作るミラー磁場と、ミラーの中心軸に平行に円筒管上に配置した偶数の直線電流により生じる多極磁場を重ね合わせてできる絶対極小磁場配位を検討した。しかし、原子炉内ではコイル用冷却水に使用制限があること、又実際の装置を設計した場合閉じ込められる中性子のエネルギー範囲と閉じ込め空間がかなり小さくなることが分かった。(b)プラズマ閉じ込めに使用されている永久磁石列による多極磁場配位で最適化を行った結果、閉じ込め有効ポテンシャル20neV、閉じ込め空間約23,000cm^3を持つ装置が設計できた。後者を採用し、装置を設計製作した。 閉じ込められた中性子の測定法として、中性子崩壊時に放出される陽子を、閉じ込め容器の上方部に置かれた半導体検出器(-50〜100kV印加)で検出する方式を検討した。容器内(静電場と多極磁場が存在)各点で発生した陽子を計算機で軌道追跡した結果、約40%の検出効率が得られた。更に補正電極の取付け等を含め最適化を行えば、高検出効率が得られると判断される。一方、京大原子炉内で半導体検出器の試験を行ったが、γ線によるノイズレベルが高く、S/N比の改善が必要であることが分かった。 今後は京都大学原子炉実験所との共同研究により、製作したUCN閉じ込め装置による中性子の輸送、閉じ込めに関する研究を引き続き行なう予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] N. Inoue: "Discrete Energy Levels of Neutrons Trapped in an Absolute Minimun-B Mirror Field" J. Plasma and Fusion Research. 17. 256-261 (1995)
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[Publications] N. Inoue: "Confinement of UCN in a Multiple Cusp Magnetic Field" J. Phys. Soc. Jpn. (to be published). (1996)
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[Publications] N. Akiyama et al.: "Experiment on Transportation of Very Cold Neutron Flux by a Multiple Magnetic Field" J. Phys. Soc. Jpn. (to be published). (1996)