1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454098
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長谷川 昭 東北大学, 理学部, 教授 (40004460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野 亮太 東北大学, 理学部, 助手 (00241521)
松本 聡 東北大学, 理学部, 助手 (40221593)
松澤 暢 東北大学, 理学部, 助手 (20190449)
海野 徳仁 東北大学, 理学部, 助教授 (30004477)
堀内 茂木 東北大学, 理学部, 助教授 (00004490)
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Keywords | 3次元地震波速度構造 / マグマ溜り / マントルダイアピル / 内陸地震 / 深部マグマ活動 / 地震・上部マントル / 不均質構造 |
Research Abstract |
観測フィールドとして設定した栃木県日光周辺域および福島県桧枝岐周辺域において,臨時地震観測網を構築した. 従来の既設定常微小地震観測網データを用いた3次元地震波速度構造インバージョンでは,福島県桧枝岐から栃木県中禅寺湖周辺まで,全域にわたって低速度域が分布していたが,稠密地震観測網の構築により,はるかに詳細な地殻・上部マントルの3次元P波速度構造が得られた.P波トモグラフィによると,低速度域は,より局在しており,日光白根山北西側の最上部マントルから直下の地殻浅部まで,傾斜したまま連続して分布していることは明らかになった.深部マグマの移動に密接に関係すると推定される低周波微小地震は,低速度域内では発生せず,むしろ,その周縁に発生しているなど,最上部マントル内のマントルダイアピルとそこから地殻浅部に上昇するマグマの実態の一端を捉えることができた. さらに,当該領域内で1949年に発生したいわゆる「内陸直下型地震」である今市地震(マグニチュード6.4)の発生原因の理解にも進展がみられた.すなわち,3次元速度構造インバージョンでイメージされたマグマ溜り・今市地震の震源域および断層面・広域応力場との関係から,今市地震はマグマ溜り内の圧力が増加したことによりトリガーされた可能性が極めて高いことが推定された.この推定を裏付けるように,今市地震の直後の1952年には日光白根山で小噴火が発生している.
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