1995 Fiscal Year Annual Research Report
高感度マグネットテルリック法で中央海嶺下溶融体の底を見る
Project/Area Number |
07454099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤 浩明 東京大学, 海洋研究所, 助手 (40207519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島 伸和 千葉大学, 理学部, 助手 (30270862)
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 助教授 (70134632)
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Keywords | 海底電磁気 / 中央海嶺 / 溶融体 / 深部構造 / 高感度磁場データ / 長周期信号 / イメージング法 |
Research Abstract |
「海底電磁気データから中央海嶺下溶融体の深部構造を決定する方法を確立」する事を主眼に本年度の研究を進めた。本研究では、(1)磁場データの感度向上、(2)長周期(具体的には潮汐周期帯)信号の開拓、(3)電磁場のmigrationに基づいた構造解析法(イメージング法)の導入、の3点からこの目的を達成する事を試みた。(1)により、電場に比べ明らかに感度が足りない事が分かって来た磁場データを高感度で採取する事で厚い海水のスクリーニングを受けても浅部構造を精密に決める事が可能になる。(2)では、新しい時系列解析法を開発し海洋潮汐により海洋中でキネマティックに誘導される電磁場を信号源として活用する事により、上部マントルの持つコンダクタンスの上限値が制約条件として得られ、(1)で得られた浅部構造と組み合わせる事によって、中央海嶺下部に存在する溶融体の「底」が見えて来る。また(3)では、時間領域及び周波数領域における電磁場のmigrationに基づいたイメージング法を新たに導入し、これを従来の電気伝導度構造解析と組み合わせる事により、海底電磁気データの形状決定に対する分解能の向上につながる。 (1)の測器改良では、高感度3成分磁場センサーを導入する事により磁場感度の向上を実現でき、改良した測器を伊豆小笠原弧をテストフィールドとした海域実験に投入し高感度磁場データを取得する事が出来た。(2)の海洋潮汐を信号源とする新しい解析法、及び、(3)の電磁場のmigrationを利用した新しい構造解析法、についても必要なソフトウェア群は一応の完成をみた。但し、海域実験の時期が本年度後半にずれ込んだ為、観測データの一部はまだ解析の途上にあり実測データに基づく新しい解析手法の有効を検証するまでには至っていない。しかしながら、ほぼ所期の目的を達成する事が出来たと考えられる。
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Research Products
(1 results)