1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454100
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末廣 潔 東京大学, 海洋研究所, 教授 (20133928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 朝彦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
徳山 英一 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10107451)
日野 亮太 東北大学, 理学部, 助手 (00241521)
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Keywords | 上部マントル / 海底地震計 / 自然地震 / 伊豆小笠原 / 海洋島弧 |
Research Abstract |
本研究の目的は、海洋性島弧系の上部マントルを対象とし,これまでの海底地震観測データに記録された遠地地震の情報を調べ,またあらたにより長周期の地震計を開発し長期海底地震観測を実施して得るデータとを合わせて上部マントルの不均質構造を高い解像度で明らかにし,その原因となるダイナミックプロセスを解釈することである。今年度は2カ年の計画の初年度にあたり,新型の機器開発に主力をそそいだ。その結果,従来の4.5Hz型の速度センサーにかわり1Hz型の速度センサーを備えた海底地震計を開発できた。自然地震を観測対象とするため,長期観測を可能にするためのデジタルレコーダー(約3GB記録)も開発し,時刻精度も従来型より2桁向上させた。試験観測は陸上で行い長期安定性は証明された。海底試験観測は,来年度に実施する予定である。 一方,これまで短期の(数週間〜1ヶ月程度)の短周期海底地震計による観測は多くの機会があり,微小地震,人工地震の観測を主にしてきた。そこで,遠地地震がどのくらい観測できるかは1992年5月27日のマグニチュード7クラスのサンタクルズ地震の海底地震計アレー観測を例にして調べた。震央距離は約5600kmである。現在の暫定結果では,初動付近はS/N比は高いが,1Hz以下のエネルギーは小さく,S波,表面波の情報抽出は困難である。今後,より詳細に記録のスタッキングなど解析手法を工夫してより長周期の情報がどこまで得られるか定量化する。 伊豆小笠原島弧直下の上部マントルは不均質の高いことが予想され,92年の観測結果では波の減衰が背弧側できわめて大きく,短周期の波はまったく観測されないことがわかった。したがって,長周期側の感度の高い観測なしにはマントルの非弾性を定量化できない。この研究で開発した地震計によりその定量化を進める計画である。
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Research Products
(1 results)