1996 Fiscal Year Annual Research Report
自己浮上式海底熱流量計による西南日本沈み込み帯の熱的構造の研究
Project/Area Number |
07454101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山野 誠 東京大学, 地震研究所, 助教授 (60191368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 年恭 東海大学, 海洋研究所, 助教授 (20183890)
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Keywords | 地殻熱流量 / 自己浮上式海底熱流量計 / 西南日本 / 四国海盆 / 長期温度計測 / 熱伝導率 / 放射性発熱量 |
Research Abstract |
1.前年度に引き続き、浅海域での地殻熱流量測定を可能とする、自己浮上式海底熱流量計の開発を進めた。 (1)温度プローブ部分の試作品を製作し、8年7月に鹿児島大学水産学部かごしま丸の航海において、海底温度記録計部分、及び音響切離装置部分と組み合わせての設置・回収、及び温度勾配測定の試験を試みた。海底堆積物へのプローブの貫入、温度測定には成功したが、音響制御回路の不調により、設置・回収については十分な試験ができなかった。 (2)上の結果に基づいて、音響制御回路の改善、熱流量計全体の小型・軽量化、温度プローブ部分の実用品の製作を行った。これらを使用しての設置・測定・回収試験を9年3月に実施する予定である。9年度の前半には、長期観測を開始することを計画している。 2.8年7月に、銭洲海嶺の南に海底堆積物中の温度を長期計測する装置を「しんかい2000」により設置した。装置の回収は9年度に予定しており、四国海盆が新たに沈み込みを開始しつつあるとされる場所での温度構造についての情報が得られる見込みである。 3.近畿地方において、紀伊半島から日本海沿岸にわたる地域で熱流量測定を行った結果、既存のデータと合わせて熱流量が東西に帯状の分布をしていることが明らかになった。これは、西南日本沈み込み帯の温度構造を解明する上での重要な境界条件となる。 4.淡路島北淡町に掘削された深さ約1700mの孔井に、サーミスタ及び光ファイバセンサによる長期温度計測装置を設置する準備を進めた。掘削作業の遅れにより、設置は9年4月頃を予定している。この掘削孔で得られたコア試料について、熱伝導率と放射性発熱量の測定を開始した。
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[Publications] M.Yamano et al.: "Long-term monitoring of temperature profiles in sea floor sediments" Proc.Int.Workshop on Sci.Use of Submarine Cables,1997. (印刷中). (1997)
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[Publications] R.D.Hyndman et al.: "The Seismogenic zone of subduction thrust faults" Island Arc. 6巻(印刷中). (1997)