1996 Fiscal Year Annual Research Report
日本及びその周辺域に於ける地殻運動とテクトニック応力蓄積過程の三次元モデリング
Project/Area Number |
07454103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松浦 充宏 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00114645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 利典 東京大学, 地震研究所, 助手 (70222015)
濱野 洋三 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90011709)
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Keywords | 地震サイクル / 地殻変動 / 応力蓄積 / 粘弾性 / 断層構成則 / モデリング / プレート運動 |
Research Abstract |
平成7年および8年の2年度にわたり,日本列島及びその周辺域に於ける地殻運動とテクトニック応力蓄積過程の三次元モデルの構築を目標として研究を行い,以下の成果を得た. 1.モデリングの対象領域として,東経140度,北緯35度を中心とする3000キロメートル四方をとり,この領域内の地図,地形,重力,地殻構造,震源分布等の基礎データの収集を行った. 2.主に地形,地殻構造,震源分布のデータから,日本列島周辺域のプレート境界面,具体的には,太平洋プレート,北アメリカプレート,フィリピン海プレートおよびユーラシアプレートの境界面の位置と形状を,新たに開発したインバージョン解析の手法を用いて決定した. 3.プレート境界面上のステップ的な単位のすべりが引き起こすプレート内応力場の時間変化(三次元粘弾性応答関数)の効率的な計算プログラムを開発し,その計算プログラムを用いてプレートの相対運動に起因するテクトニック応力の蓄積過程を数値シミュレーションした.この数値シミュレーションを通じて,プレート境界とプレート内活断層でテクトニック応力蓄積のメカニズムが基本的に異なることが明らかになった.また,プレート境界に於ける応力蓄積は,プレート底面でのアセノスフェアの粘性曳力によるベース・ロ-ディングと地震断層領域両端での変位食い違いの集積によるエッヂ・ロ-ディングに原因することが分かった. 4.西南日本(主に四国)を対象領域として,過去約100年間の地殻変動データをインバージョン解析し,南海トラフでの巨大地震の繰り返しに伴う地殻変動サイクルを復元した.その結果,巨大地震の繰り返しに伴う周期的な地殻変動の他に,地震サイクルごとに累積していく永年的な変動が存在することが確かめられた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Fukahata et al.: "Crustal movements in Shikoku,south west Japan,inferred from inversion analysis of levelling data using ABIC" Tectonophysics. 257. 239-252 (1996)
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[Publications] 松浦充宏: "地震発生予測と地殻活動モデリング" 月刊地球. 18. 824-828 (1996)
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[Publications] M.Matsu′ura: "Loading mechanism and scaling relations of large interplate earthquakes" Tectonophysics. Special Issue(発表予定). (1997)