1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454112
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今脇 資郎 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (40025474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 新 九州大学, 広島大学・工学部, 教授 (10038101)
馬谷 慎一郎 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (30112353)
オストロフスキー サレク 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70243962)
竹松 正樹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (50038535)
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Keywords | 黒潮 / 流量 / ADCP |
Research Abstract |
この研究では,海面高度計を搭載した人工衛星TOPEX/POSEIDONの軌道に合わせて,四国沖に黒潮を横断する測線を設け,その測線上で,CTD/XBT観測と曳航式ADCP(音響ドプラー流速分布計)観測をなるべく頻繁に行い,それらの観測によって得た黒潮に関するデータを,平行して実施された係留流速観測などのデータと一緒に総合的に解析することにより,従来は相対的にしか求められなかった黒潮表層の流量と熱流量の大きさおよびその時間変化を,絶対値として求めることを目指した. 平成8年度には,前年度までの観測で得たデータの解析を行った.黒潮強流域に係留した上向きADCPによって,探さ300m付近で100cm/secを超える速い流れが観測されたほか10^<-2> sec^<-1>を超える大きな鉛直流速シア(深さ100mの間での100cm/secの流速変化に相当)が観測された.これらの測流結果を,測線沿いに行ったCTD/XBT観測のデータから求めた地衡流の鉛直シアと比較した.上記の極めて大きな鉛直シアは,この時の測線観測データから求めた地衡流シアでは十分には表現できなかったが,それ以外の場合では黒潮域でも地衡流平衡がほぼ成立していることが分かった.これらの現場観測データと衛星海面高度計データを総合的に利用し,黒潮の流量(1,000m深まで)の時間変化を3年間にわたって10日毎に推定した.その結果のうち特に興味深いのは,黒潮の流量変化に季節変化がはっきりとは見られないことである.黒潮の流量変化が,北太平洋の亜熱帯循環の強弱とどのように関係しているかを明らかにすることが今後の重要な課題である・ これらの結果を報告書としてまとめ公表した.
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[Publications] 内田 裕: "衛星海面高度計と潮位計による四国沖の水位変化の比較" 九州大学応用力学研究所所報. 80. 71-85 (1996)
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[Publications] 今脇 資郎: "Time series of the Kuroshio transport derived from field observations and altimetry data" International WOCE Newsletter. 25. 15-18 (1997)