1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454113
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 周司 東北大学, 理学部, 助教授 (00183129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 誠 国立極地研究所, 研究系, 助教授 (40132716)
中澤 高清 東北大学, 理学部, 教授 (30108451)
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Keywords | 二酸化炭素 / グリーンランド海 / 全炭酸 / 炭素同位体比 |
Research Abstract |
ノルウエー極地研究所がチャータ-した観測船ランセに1995年6月9日から6月30日にかけて乗船し、グリーンランド海における表層海洋中の二酸化炭素分圧観測を実施した。また、この海域に位置するスバールバル諸島ニーオルスン基地において大気中の二酸化炭素分圧観測も継続している。6月のこの海域における表層海洋中の二酸化炭素分圧は大気に比べてたいへん低く、その差は最大200μatmにも達していることがこれらの観測から求められた。したがって、この海域は大気中の二酸化炭素の吸収源としてきわめて大きな能力をもつことが明らかになった。さらに全炭酸濃度とその炭素同位体比測定のため、深度別の海水サンプリングも実施した。そのサンプルから求められた全炭酸濃度の鉛直分布は表層ほど値が小さく、深くなるにしたがって大きな値になっていた。表層海洋での全炭酸濃度は場所による違いが大きく1.95〜2.07mmol/kgの間に分布していたが、200m水深では2.12〜2.14mmol/kgとばらつきははるかに小さくなっていた。一方、全炭酸に含まれる炭素同位体比は表層ほど値が大きく、深くなるにしたがって小さな値になっていた。炭素同位体比も表層海洋では場所による違いが大きく2.4〜10.0‰の間に分布していたが、200m水深では1.2〜0.9‰であり、やはりばらつきははるかに小さくなっていた。表層海洋中の全炭酸濃度と炭素同位体比の間には-10‰(mmol/kg)^<-1>の相関関係が成り立っており、植物プランクトンによる炭酸物質の取り込みの影響が大きいことが示唆された。 人工衛星データから求めた風速分布を用いて二酸化炭素のフラックスを見積もる作業や二酸化炭素循環モデルの開発も順次進めている。
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[Publications] Aoki,S.,Nakazawa,T.et al.,: "Carbon dioxide variations in the Greenland Sea." Proc.NIPR Symp.Polar Meteorol.Glaciol.,. (in press). (1996)
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[Publications] Murayama,S.,Nakazawa,T.,Aoki,S.: "Concentration variations of atomospheric CO_2 over Syowa Station,Antarctia and their interpretation" Tellus. 47B. 375-390 (1995)
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[Publications] Machida,T.,Nakazawa,T.,Aoki,S.: "Increase in the atmospheric nitrous oxide concentration during the lost 250 years" Geophys.Res.Lett.21. 2921-2924 (1995)