1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454114
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
中澤 清 東京工業大学, 理学部, 教授 (10025455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 圭史 山形大学, 理学部, 助手 (00250910)
榎森 啓元 東京工業大学, 理学部, 助手 (30262257)
井田 茂 東京工業大学, 理学部, 助教授 (60211736)
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Keywords | 惑星形成過程 / 微惑星集団 / 惑星集積過程 / 木星形成過程 |
Research Abstract |
本研究は以下の3つの個別テーマの解明を通して行われた。 1)微惑星集団の運動状態の見積り 2)後期惑星集積過程の追跡 3)原始木星形成過程の検討 このうち本年度は(1)の研究テーマに一部である(1b)原始太陽系星雲の影響による微惑星の軌道進化に関して、小惑星軌道における長期軌道数値計算を行った。その結果星雲ガスと巨大惑星の重力相互作用の結果、微惑星集団に大きな離心率を得ることが明かになった。 また、年度当初の計画になかったが、テーマ(3)に関連する研究テーマである、(3b)原始木星によるガス捕獲過程および(3c)原始木星による星雲への影響、の2テーマの早急かつ詳細な解明が極めて重要と判断し、(3b)に関して準静的な流体計算を、(3c)に関しては3次元非線型流体計算を実行すべく計算コードの開発と実行を行い、以下の結果を得た。 (3b)原始木星の成長率、および原始木星の太陽からの距離をパラメーターにしてガス捕獲過程の追跡を行った。その結果従来考えられていたよりも小さい惑星質量においてガス捕獲が開始し得ることが明かとなった。 (3c)3次元数値計算の結果原始木星が星雲に与える影響とその反作用として原始木星が受ける力を推定した。その結果は原始木星が形成時間とほぼ同程度の時間で半径方向に移動する可能性を示唆している。この結果は従来行われてきた線型解析の結果とほぼ同じである。
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[Publications] Ida,S., R.M.Canup, and G.R.Stewart: "Lunar accretion from an impact generated disk." Nature. 389. 353-357 (1997)
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[Publications] Lin, D. N. C. and S. Ida: "On the Origin of Massive Eccentric Planets." Astrophys. J.477. 781-791 (1997)
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[Publications] Tanaka, H. and S. Ida: "Distribution of Planetesimals around a Protoplanet in the nebula gas II." Icarus. 125. 302-316 (1997)
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[Publications] 渡邊誠一郎、井田茂: "比較惑星系形成論" 岩波地球惑星科学, 232 (1997)