1997 Fiscal Year Annual Research Report
計算機トモグラフィー解析法を用いた太陽風三次元構造の研究
Project/Area Number |
07454115
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小島 正宜 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70023687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 紀久夫 名古屋大学, メディア教育開発センター, 助手 (90290874)
徳丸 宗明 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60273207)
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Keywords | 太陽風 / プラズマ / 惑星間空間シンチレーション / トモグラフィー法 |
Research Abstract |
太陽風の速度や三次元構造が、太陽からの距離に伴いどの様に変化するのか、そのダイナミックスを研究するには、人工天体等の飛翔体観測は、時間・空間分解能は優れているが、観測可能な領域が極めて限定されている。一方、天体電波が太陽風プラズマ中を伝搬するときに屈折・散乱を受け、電波強度を変動させる惑星間空間シンチレーション現象を用いた太陽風のリモートセンシングは、太陽の近傍を含む広い三次元空間で太陽風の観測が可能である。しかし、惑星間空間シンチレーションの方法で観測するものは、地球と電波源を結ぶ視線上の情報を荷重積分したものであるために、空間分解能が悪く、測定値はバイアスがかかっている。本研究では、IPS観測の持つバイアスを取り除き観測値を真の値に近づける計算機トモグラフィー法を開発した。これによりIPS観測の特色を活かし猶且つ空間分解能を上げた太陽風研究が可能となった。 そして本研究では、開発した計算機トモグラフィー法を用いて以下の研究成果を得た。 1.太陽風密度擾乱度の太陽風速度依存性。 高速太陽風中の全電子密度に対する擾乱の相対比ΔN/Nは、太陽からの距離と共に増加し、地球公転軌道付近では、擾乱相対比は低速風中よりも高速風中の方が大きい。 2.太陽風速度の緯度構造。 太陽活動極小期における太陽風は、シャープな速度勾配で分けられた高速風と低速風からなるbimodal構造をしている。これは、太陽極軌道探査機Ulyssesの観測と良く一致する。 3.高速太陽風速度の距離依存性。 高速風は、太陽から20太陽半径の距離において既に最終速度750km/sに達している。そして、不思議なことに20〜200太陽半径の距離では、太陽に近いほど速度が若干速くなる傾向が見られる。この速度増加の原因については、今後の研究が必要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Shishov,N.I.: "Structure of interplanetary shock waves on radio scintillation data" Solar Physics. 176. 373-386 (1997)
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[Publications] Jackson,B.V.: "Heliospheric tomography using interplanetary scintillation observations" Physics and Chemistry of the Earth. 22. 425-434 (1997)
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[Publications] Jackson,B.V.: "Heliospheric Tomography Using Interplanetary Scintillation Observations" Adv.Space Res.20. 23-26 (1997)
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[Publications] 小島正宜: "天体電波による太陽風プラズマの計測" 精密工学会誌. 63. 1363-1367 (1997)
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[Publications] Jackson,B.V.: "Heliospheric tomography using interplanetary scintillation observations,1.Combined Nagoya and Cambridge observations" Jaurnal of Geophysical Research. 印刷中 (1998)
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[Publications] Kojima,M.: "Heliospheric tomography using interplanetary scintillation observations,2.Latitude and heliocentric distance dependence of solar wind structure at 0.1-1 AU" Jaurnal of Geophysical Research. 103. 1981-1989 (1998)