1996 Fiscal Year Annual Research Report
介形虫殻縁辺内曲部(Vestibulum)の形質は優れた環境指標となり得るか
Project/Area Number |
07454125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
池谷 仙之 静岡大学, 理学部, 教授 (50022223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROSS Robert 静岡大学, 理学部, 助手 (70252161)
阿部 勝己 静岡大学, 理学部, 助教授 (80151091)
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Keywords | 介形虫類 / 縁辺内曲部 / 環境指標 / 環境要素 / 機能形態 / 形態変異 |
Research Abstract |
本研究の目的は介形虫類の縁辺内曲部(Vestibulum)の形態が生息環境(特に水深で代表される環境要素)と対応している事実を検証することにある。そのために,Vestibulumの形態を観察しやすい特定種(Krithe,Cytheropteron,Cytherella属など)を用いることが必要である。これらの標本は個体数のきわめて少ない深海域に産出する。これまでに研究試料に用いる標本群を顕微鏡下で抽出した。同時にこれらの特定種の生息分布を明らかにし,それらの生息地点の環境要素を抜き出し,種ごとに共通する各種の環境要素との対応性を解析した。 Vestibulumの機能形態を考察するため,それらの変異を含む形態的特徴を解析,体系的に分類が可能であることがわかった。種により生息水深に差のあることも判明し,種ごとのVestibulumの立体的構造をSEMを用いて観察し,外・内殻間に生じている空間の相異が変異としてとらえられた。 形態と環境との直接の関係は,未だ解決していないが,次年度に向け,目下解析中である。飼育実験についてはXestoleberis属に続いて,浅海性のIshizakiella属で試みている。これらの種間関係を一部,mt DNAを用いて解析が進んでいる。
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