1997 Fiscal Year Annual Research Report
大気圏における笑気ガスの動態と窒素、酸素同位体による笑気ガス収支表の作成
Project/Area Number |
07454136
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 教幸 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10261348)
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Keywords | 笑気ガス / 大気 / 同位体 / 温室効果 / 沿岸 / 生成 |
Research Abstract |
亜寒帯域草原の積雪を通しての笑気ガスの大気への逃散量を把握するための観測を実施した。北海道大学構内に定点観測点を設置して積雪期に積雪、土壌中のガスをほぼ定期的に採取した。笑気ガスとともに二酸化炭素、メタン、ラドンの測定を行った。ラドンから拡散係数を求めて濃度勾配から逃散量を算出した。積雪上にチャンバーをおいて逃散量の直接測定も試みた。低温下では笑気ガスの発生は抑制されており、積雪を通しての逃散は無視される場合が多かったが、積雪下の土壌温度が氷点よりも高い場合には活発な笑気ガスの生成があり、大気中笑気ガス収支に重要であることがはっきりと示された。測定された逃散量の平均値は一平米一日あたり0.5マイクロモルであり、積雪期に年間逃散量の約60パーセントが大気中に放出されていると見積られた。亜寒帯沿岸は笑気ガスの生成、消費両方に重要であることが前年度の結果から明らかになっており、亜寒帯域の沿岸、陸域からの笑気ガス逃散量の定量的把握が同位体情報とともに必要であることが示唆された。
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Research Products
(1 results)