1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454145
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山内 清語 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (10127152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大庭 裕範 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (10176985)
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Keywords | イオン対 / 多次元ESR / フーリエ変換ESR / スピン相関イオン対 / 光誘起電子移動 / 金属ポルフィリン |
Research Abstract |
アセトン/2-プロパノールの光誘起プロトン移動系と金属ポルフィリン・キノン/ミセルの光誘起電子移動系に、2種類の二次元パルスESR法を適用して、反応中間体ラジカル対の最終的な同定と交換相互作用の大きさJの決定を行った。 1.ニューテーション法 アセトン系のでケチルラジカルの二次元ニューテーションスペクトルを観測した。スペクトルは時間変化を示し、レーザー照射後8μsの信号はラジカルのニューテーション周波数(ωa)を持つことがわかった。一方、0.5μsの信号はωa±ωbのニューテーション周波数をもち、明らかに前者の信号とは異なることがわかった。密度行列を用いた理論式の導出を行い、ωa±ωbの周波数がラジカル対信号に由来することを見い出した。これらの実験によって、ラジカル対の存在が初めて分光学的に証明された。 ポルフィリン・キノン系では二次元ニューテーション信号がすべてωa±ωbの周波数をもつことがわかり、信号がほとんどラジカル対によると同定された。スペクトルのシミュレーションからJが0>J>-0.3と求められた。 2.J分光法 スピンエコー法における第1パルスと第2パルスの間隔(t_1 )をかえてFID(自由誘導減衰;t_2)を観測し、t_1とt_2の両方に関して複素フーリエ変換を行う二次元Jスペクトル分光法を開発した。この方法によって、溶液中におけるJの分布が求められ、溶液中のイオン対の反応およびスピンダイナミクスとイオン間距離の相関が明らかになると期待される。ポルフィリン・キノンの系に適用したが、この系ではJが小さいため分布幅が広がり有意義な結果は得られなかった。今後、もう少しJの大きい系に適用する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Q.Ehsan: "Ligand ENDOR Study of the Trigonal Bipyramidal Copper Complexes,[a_u(tren)NH_3[(CC10_4)_2 and [a_u(tren)NCS]SCN in the Powder State" Chem.Lett.,. 151-152 (1995)
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[Publications] R.Hanaishi: "Observation of Spin-Correlated Radical Pairs via Two-Dimensional EPR Nutation Spectroscopy" J.Chem.Phys.,. 103. 4819-4822 (1995)
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[Publications] R.Hanaishi: "Two-Dimentional Fourier-Transform EPR Nutation Spectroscopy of Spin-Correlated Radical Pairs" J.Magn.Reson.,. A116. 196-205 (1995)
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[Publications] N.Hirota: "Chemically Induced Dynamic Electron Polarization Studies of Photochemical Reactions:Acetone in 2-Propanol and Triethylamine" Bull.Chem.Soc.Jpn.,. 68. 2997-3010 (1995)
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[Publications] R.Hanaishi: "Two-Dimentional FT-EPR Spectroscopy for Spin-Correlated Radical Pairsof ZnTPPS and DQ in a Mecellar Solution" Appl.Magn.Reson.,. (印刷中).
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[Publications] S.Yamauchi: "State Mixings in the Excited Triplet and Singlet States of MgTPP Studied by Optical and Time-Resolved EPR Spectroscopy" Inorg.Chem.,. (印刷中).