1995 Fiscal Year Annual Research Report
時間分解赤外半導体レーザー分光法によるラジカル反応の研究
Project/Area Number |
07454152
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 武彦 九州大学, 理学部, 教授 (00011586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今城 尚志 九州大学, 理学部, 助手 (40213227)
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Keywords | 時間分解半導体レーザー分光 / 赤外ダイオードレーザー分光 / 紫外レーザー光解離 / シリレンラジカル / SiHラジカル / FeCOラジカル / Fe(CO)_2ラジカル / Fe(CO)_5 |
Research Abstract |
紫外レーザーパルスを気体分子に照射して光解離し、生成したラジカルを高感度の時間分解赤外半導体レーザー分光法によって観測する方法を応用して、光解離によって生成したラジカルの反応を調べることが本研究の目的である。 米国レーザーフォトニクス社製のLD電源を購入し、現有の設備等と組み合わせて実験装置のセットアップを次のように行った。光解離用紫外光源は小型のエキシマーレーザーを用いる。約2m長のガラス管製の吸収セルの内部に多重反射長光路光学系を組み込む。半導体レーザー光は、セルの一端のフランジに設けたKBr窓から入射し、長光路光学系を通過したのち別のKBr窓から出射し、赤外検出器に入る。セルの他端のフランジにはエキシマーレーザー光の入射ポート(石英窓板)を設ける。赤外光と紫外光は、双方の重なりが最大になるようにアラインメントを行う。時間分解検出のための信号処理系は次のようである。赤外検出器の出力を前置増幅器で増幅したのち、シグナルデジタイザーに導き、AD変換したのち、パーソナルコンピュータへ転送する。パーソナルコンピューターは二重ゲート積分および積算の信号処理を行う。 この装置を用いてフェニルシランの光解離によってシリレンラジカル(SiH_2)を生成させ、1945-2080cm^<-1>の領域においてスペクトル探索を行った。80本以上のスペクトル線が新たに観測されたが、このうち約20%はSiHラジカルの吸収線であることが判明した。またFe(CO)_5の光解離によって生成するFeCOおよびFe(CO)_2ラジカルの1900-2000cm^<-1>の領域のスペクトルを測定した。FeCOについては詳細なスペクトル帰属を完成し、高精度の分光定数を決定した。
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