1995 Fiscal Year Annual Research Report
超音速分子線ミリ波分光器の開発と分子クラスターの大振幅振動遷移の直接観測
Project/Area Number |
07454153
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 桂一 九州大学, 理学部, 助教授 (50037280)
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Keywords | 分子クラスター / VWM振動 / ミリ波分光法 / 超音速分子線法 / VWMの振動回転遷移 |
Research Abstract |
平成7年度の計画に従い、超音速分子線ミリ波分光装置を開発した。光源として現有するクライストロンを逓倍して100〜350MHzのミリ波を得た。この装置を用いて、まず最初にAr・HCNクラスターのVdW変角振動遷移の測定を行った。Ar・HCNクラスターのVdW変角振動の第一励起状態は2つの副準位(Σ、P)を持ち、それらの振動の原点はおおよそ6cm^<-1>(180GHz)である。この実験では基底状態から第一振動励起状態遷移を多数測定した。核四極子定数の解析より、クラスターの構造が直線形から、VdW変角振動の励起によりT形へと大きく変化する事が明らかになった。 更に放電ノズルを製作しグロー放電中生成するCS,CNラジカルおよびHCO^+イオンを超音速ジェット中に検出した。この方法により、ラジカルクラスターAr・CSおよびAr・OHののVdW変角振動遷移の測定を現在行っている。またBWOを光源とするサブミリ波分光器を現在製作中である。 平成7年度のAr・HCNクラスターのVdW変角振動遷移の測定の結果を7月の米国での国際分子分光学会、および9月の仙台での分子構造討論会で口頭発表し、極めて大きな反響があった。この研究はクラスターのVdW振動遷移の測定の、最初の報告例として注目されている。
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