1995 Fiscal Year Annual Research Report
分子性軽元素の高密度極限における分子解離と金属化に関する研究
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07454154
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
川村 春樹 姫路工業大学, 理学部, 教授 (00192005)
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Keywords | 酸素 / 超高圧 / 金属化 / 構造相転移 / 放射光 / X線回折 |
Research Abstract |
酸素の超高圧下(100GPa)の粉末X線回折実験を行った。 線源には放射光を用い、角度分散法で116GPaまでの粉末回折図形を得た。96GPaまでは従来60GPaまでの結果から知られているε-相と呼ばれる単斜晶の構造であったが、その圧力を境に新しい構造へと変化した。この構造も単斜晶で指数付けされるものであり、格子定数の異なる単斜晶-単斜晶の同形転移であった。この相転移圧は反射率の実験から報告されている絶縁体-金属転移とほぼ同じ圧力域であるため、金属酸素の結晶構造が初めて明らかにされたものと考えられる。相転移時に単斜角はほとんど変化はしないが、a,c軸が伸び、b軸が縮んだ。また、この相転移に伴う体積変化は非常に小さく(1.4%以下)、分子解離を伴う相変態とは考えにくく、酸素は分子性を保ったまま金属になったものと予想している。これは他の同族元素がいずれも分子解離を伴って金属化するのと対照的である。今後、ラマン散乱の実験から相転移のメカニズムを明らかにする予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Akahama: "New High-Pressure structural Transition of oxygen at 96GPa Associated with Metallization in a Molecular solid" Phys.Rev.Lett.74. 4690-4693 (1995)
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[Publications] 赤浜裕一: "固体酸素の96GPaでの構造転移と金属化:分子金属の可能性" 日本高圧力学会誌“超高圧の科学と技術. 4. 22-27 (1995)
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[Publications] 赤浜裕一: "固体酸素の96GPaでの構造転移と金属化-分子金属の可能性-" SR科学技術情報. 6(3). 2-7 (1996)