1996 Fiscal Year Annual Research Report
銅型亜硝酸還元酵素の構造と機能に関する生物無機化学的研究
Project/Area Number |
07454177
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 晋一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70116052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 邦重 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40252712)
山口 和也 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80252550)
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Keywords | 脱窒菌 / 亜硝酸還元酵素 / タイプ1銅 / タイプ2銅 / アズリン / ブルー銅タンパク質 |
Research Abstract |
本年度では、今まで研究が全く行なわれていない脱窒菌Achromobacter xylosoxidans GIFU strain(GIFU 543、GIFU 1048、GIFU 1055、GIFU 1764)の4株が、銅含有亜硝酸還元酵素を含むか、またそれらはどのような性質であるかを検討し、さらに同時に単離されるブルー銅タンパク質アズリンについても、どのような分光学的性質を持つかを調べた。最近の我々の研究によると、上記のGIFU strainに類似したAchromobacter xylosoxidans sp.NCIB 11015とAchromobacter xylosoxidans GIFU 1051では、それらの菌株から同時に2種類のアズリン(いずれも620nmに吸収極大を持つ)が単離され、円偏光二色性(CD)スペクトルのパターンからのみ識別することができることがわかっている。ここで、アズリンを陽イオン交換樹脂に吸着後、緩衝溶液により早く溶離するアズリンをアズリン-1、遅く溶離りして来るものをアズリン-2と呼んだ。 1)亜硝酸還元酵素:GIFU 543、GIFU 1048、GIFU 1055、GIFU 1764の4種類の菌株から単離される亜硝酸還元酵素は、いずれも分子中にタイプ1銅とタイプ2銅を含み、594nmに吸収極大を持った青色のものであった。これらはNCIB 11015とGIFU 1051からの酵素と極めて類似したものであった。 2)アズリン:GIFU 543、GIFU 1048の2種類に菌株からは、NCIB 11015とGIFU 1051と同様にアズリン-1とアズリン-2の2つが単離された。それらのCDスペクトルも互いによく類似していた。これに対して、GIFU 1055、GIFU 1764からはアズリン-1のみであった。これらの菌体からは、亜酸化窒素還元酵素も単離されなかった。この事実は、アズリン-1が亜硝酸還元酵素の電子供与体である可能性を示唆しているかもしれない。
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[Publications] T.Sakurai,F.Nose,T.Fujiki,and S.Suzuki: "Reduction and Oxidation Processes of Blue Copper Proteins,Azurin,Pseudoazurin,Stellacyanin,and Plastocyanin Approached by Cyclic and Potential Voltammetries" Bulletin of the Chemical Society of Japan. Vol.69,10. 2855-2862 (1996)
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[Publications] T.Kohzuma and S.Suzuki: "Spectroscopic and Electrochemical Studies on the Four- -helices Bundle Cytochrome c'" Molecular Crystals and Liquid Crystals. Vol.286. 95-100 (1996)
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[Publications] S.Maritano,A.Marchesini,S.Suzuki: "Spectroscopic Characterization of Native and Co(II)-substituted Zucchini Mavicyanin" Journal of Biological Inorganic Chemistry. (in press). (1997)