1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454183
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 勲 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60011582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巾崎 潤子 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教務職員 (10133331)
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Keywords | 溶融塩 / 電気伝導機構 / 銀イオン / タリウムイオン / 鎮静効果 / 扇動効果 / 希土類イオン / 同位体効果 |
Research Abstract |
1 本年度は類似塩の溶融硝酸塩の電気伝導機構を中心に調べた。炭酸イオン、硝酸イオンは両イオンとも平面3角形をしており、イオンの大きさも極めて似ているが、前者は-2価で、後者は-1価である点が異なる。今回の研究では、具体的には、溶融硝酸銀(I)-硝酸タリウム(I)混合塩系などで、両陽イオンの内部移動度を広い温度領域、濃度領域にわたって向流電気泳動法で調べた。今まで調べてきたアルカリ硝酸混合系のある陽イオンの移動度は共存陽イオンの種類に関係なくイオンの数密度と温度の関数として現されることを見いだしてきたが、共存イオンが、銀イオンである場合はこの基本式より下側にずれさせる鎮静効果を、共存イオンがタリウムイオンである場合は上側にずれさせる扇動効果を有することが分かった。大きな分極率を有する両イオンが全く逆の働きをすることが分かり、その理由を説明することができた。これはイオンの伝導においてイオンの分極率の役割を明確にしたことになる。 2 溶融希土類(III)塩化物混合塩の向流電気泳動を行い、そのイオンの大きさと質量が移動度にどのように影響するかを調べた。その結果、大きいイオンの移動度が小さいイオンの移動度より大きいことが分かった。これは、より小さい陽イオンの方が陰イオンとより強く相互作用するためと解釈した。またイオンの大きさがほぼ同じ場合、軽いイオンが陰極側に、重いイオンが陽極側に濃縮することがわかった。その同位体効果が割合大きいことから、M(III)は3価の陽イオンとして陰極側に泳動し、構造的に存在が確認されている[MX_6]^<3->とは異なることを見いだした。多価イオンの場合、存在種と泳動種とは、必ずしも同じでないことを、初めて明確にできた。グローブボックスは塩の精製や、泳動に用いた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H. Matsuura: "Internal Cation Mobilities in Molten Binary Systems(Y, La)Cl_3 and (Y, Dy)Cl_3" J. Electrochem. Soc.143. 334-338 (1996)
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[Publications] P. Chou: "Internal Cation Mobilities in the Molten Binary System(Ag, Tl)NO_3"