1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 勲 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60011582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巾崎 潤子 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教務職員 (10133331)
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Keywords | 溶融炭酸リチウム / 溶融炭酸ナトリウム / 溶融炭酸塩燃料電池 / 向流電気泳動法 / 電気伝導機構 / 動的解離モデル / 偏光ラマン分光 / 振動・回転緩和 |
Research Abstract |
1 溶融炭酸リチウム-炭酸ナトリウムの混合系は、溶融炭酸塩燃料電池(Molten Carbonate Fuel Cell,MCFC)の電解質として注目されているが、炭酸ナトリウムのニッケルカソードに対する腐食性が炭酸カリウムのそれより少ないことから、最近特に注目されるようになってきた。しかしながらこれらの混合塩の陽イオンの移動度がどれほど違うか分かっていないのでこれを調べた。向流電気泳動法により相対内部移動度差を求めた。すでに知られている電気伝導度とモル体積からLi^+イオンとNa^+イオンの内部移動度を計算した。その結果、調べたすべての温度(923K,973K,1023K)、全濃度領域でNa^+イオンの移動度がLi^+イオンの移動度よりわずかに大きいことを明らかにした。すでに調べられている硝酸塩系、塩化物系でも同様にNa^+イオンの移動度がNa^+イオンの移動度より大きいことが分かっている。これは伝導機構の解明を目的とした、我々の提出している動的解離モデル(Dynamic Dissociation Model)により説明できる。MCFCにおいては、カソード側にNa^+が、アノード側にLi^+が濃縮することが予想されるが、両極間の長さが1-2mmと短いことを考えればほとんど濃度勾配は生じず問題がないことが予想される。 その他に(Li,Na,K)_2CO_3溶融三元系混合塩(共融混合組成)についても内部移動度を調べた。中間結果では、高温ではLi^+<Na^+<K^+の順序で低温ではLi^+<K^+<Na^+になることが分かった。 2 偏光ラマン分光により溶融炭酸混合塩の炭酸イオンの振動・回転の緩和を調べた。詳細な結果は次年度に出す予定である。 3 溶融(Li、Na)_2CO_3について分子動力学シミュレーションを行っている。
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[Publications] I.Okada: "The Isotope Effect on the Internal Cation Mobility of Molten Dysprosium Chloride" I Electrochem Soc.143-12. 3830-3832 (1996)
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[Publications] I Okada: "Anomalous Behavior of Ag(I) and Tl(I) Ions in Mobilities of Molten Nitrates" Proceedings of the Tenth International Symposium on Molten Salts. 511-523 (1996)
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[Publications] I Okada: "Anomalous Behavior of Ag(I) and Tl(I) Ions in Internal Mobilities in Molten Nitrates"