1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454183
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 勲 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (60011582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巾崎 潤子 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (10133331)
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Keywords | 溶融炭酸塩 / 共融混合物 / 炭酸リチウム / 炭酸ナトリウム / 内部移動度 / 向流電気泳動 / 偏光ラマン分光 / 回転緩和 |
Research Abstract |
溶融3元系(Li,Na,K)_2CO_3系の共有組成(43.5-21.5-25mol%)は、より低い温度で用いられるので、この系について、3つの陽イオンの内部移動度を向流電気泳動法を用いて500℃から750℃の範囲で調べた。500℃では内部移動度の順序はu_<Li>〜u_K<u_<Na>650℃でも、u_<Li>〜u_K<u_<Na>であるが、750℃ではu_<Li><u_<Na><u_Kの順序になる。これは、以前から我々の提出している動的解離モデル(dynamic dissociation model)によって説明できることが分かった。すなわち、温度の上昇に伴って陰イオン間の平均距離が長くなり、陽イオン-陰イオン間の引力相互作用のより強い、Li^+>Na^+>K^+の順により、会合度が強まり、高温になると解離動作が、より不利になるので、移動度はこのような順序になることが説明される。 イオン間の相互作用を調べる為に溶融(Li,Na)_2CO_3系のいろいろな濃度(X_<Li>=0.4,0.53,0.60,0.70)で炭酸イオンの全対称伸縮運動を650℃で偏光ラマン分光測定を行い、スペクトルをフーリエ変換することにより、振動緩和とC_3軸の回転緩和を調べた。回転緩和はほとんど濃度の依存性が無いことが分かった。これは、水酸化物の場合と似ていて、硝酸塩やチオシアン化物の場合と異なる。炭酸イオンのように相互作用の強い場合は回転緩和時間の陽イオン依存性は少ないことが分かった。また、振動緩和はLi^+の濃度が濃くなるにつれて速くなることが分かった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] I.Okada: "Anomalous Behavior of Ag (I) and Tl (I) Ions in Internal Mobilities in Motion Nitrates" J. Electrochem. Soc.144. 1332-1339 (1997)
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[Publications] I.Okada: "Internal Cation Mobilities in Molten Systems (Tl, K) NO_3 and (Tl, Cs) NO_3" Z. Naturforsch.52a. 441-446 (1997)
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[Publications] I.Okada: "A Dynamic Dissociation Model for Internal Mobilities in Molten alkali and Alkaline Earth Nitrate Mixtures" J. Mol. Liq.73-74. 195-208 (1997)
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[Publications] I.Okada: "Internal Cation Mobilities in the Molten Binary System (Li, Na)_2CO_3" MS5-Proceedings. (印刷中). (1998)
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[Publications] I.Okada: "Internal Cation Mobilities in Molten (K, Dyv_3) Cl" Z. Naturforsch.53a(印刷中). (1998)