1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454187
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高野 幹夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (70068138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 正樹 京都大学, 化学研究所, 助手 (40273510)
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Keywords | 高圧合成 / 炭素窒素系 / 超硬材料 / 粉末X線回折 / FT-IR |
Research Abstract |
β-Si_3N_4のシリコンをすべて窒素で置き換えた仮想物質は、理論的な堆積弾性率の計算からダイヤモンドをしのぐ硬さを持つと予測されており、薄膜法、高圧合成法の両面からの合成が試みられている。本研究は、各種の含窒素炭化水素原料を立方体アンビル型高圧発生装置で高温高圧処理し、元々のC-N共有結合を生かしてβ-C_3N_4を合成することを目的としている。得られた試料は差動熱伝導法による組成分析、粉末X線回折と電子線回折および高分解能電子顕微鏡観察による構造解析を行う。本年度の成果は以下の通りである。 NaNH_2+CCl_3の混合物を封管中で紫外線照射する事で前駆体+NaClへの反応を起こすことができる。ここで得られた前駆体はC-Nの一重、二重、三重結合を持ち、反応性に富むと期待される。この前駆体に窒素発生源としてアゾイソブチロニトリルを混合し、6〜8GPa、900〜1200℃の種々の条件で高圧処理を行った。元素分析の結果、窒素発生源なしではN/Cの比が前駆体の15-20%から4.4%と大きく減少してしまい、脱窒素反応が起きやすいことが示唆された。粉末X線回折実験の結果残念ながらβ-Si_3N_4の生成は認められなかったが、未知相が見つかった。この相に対して構造解析を行う手がかりとして、まずはFT-IR実験を行った。その結果、前駆体ではみられたC-Nの三重結合が消失していることが分かった。
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Research Products
(1 results)