1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規高分子液晶を用いた書き込み・消去可能な表示フィルム材料の開発と応用
Project/Area Number |
07454189
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
竹中 俊介 山口大学, 工学部, 教授 (50029310)
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Keywords | 高分子液晶 / 高分子フィルム / 合成 / 相転移 / ネマチック液晶 / 表紙デバイス / 誘電異方性 / ライトバルブ |
Research Abstract |
本研究では側鎖に液晶核を持つ高分子液晶の応用として、書き込み・消去が可能なフィルム状表示デバイスの開発を目的としている。先ず、従来からの検討中の4-シアノフェニル 4-(4-アルコキシベンゾイルオキシ)ベンゾエ-トのオルト位とスペーサーが結合したポリアクリレートを利用した高分子フィルムの作成を試みた。このポリマーは分子量が1万程度とかなり低いこともあり、フィルムとしての強度に問題がある事がわかった。そこで、上記液晶核を側鎖に持つポリメタアクリレートの合成を行った。この場合、分子量6万-10万程度と重合度の高いポリマーを得ることが出来たが、ガラス転移温度が対応するアクリレートに比べかなり高く、ネマチック一等方性液体転移温度に近い為、液晶核のネマチック配列への移行が極めて遅く、表示材料への応用にはかなり問題があることがわかった。 次に,4-シアノフェニル 4-(4-アルコキシベンゾイルオキシ)ベンゾエ-トのメタ位とスペーサーが結合したポリアクリレートの合成と熱物性の検討を行った。この高分子はスペーサーが短いときネマチック相を発現し、そのネマチック一等方性液体転移温度は150℃と高く、ガラス転移温度も50℃と高い。この誘導体はオルト結合の誘導体と同様、ネマチック相で電場により光のスイッチング現象を示す。この化合物はスメクチック相と発現し易くスペーサー長が3以上になるとスメクチックA相のみしか示さない。スメクチックA相では低分子液晶の場合と同様、電場による分子の再配列現象は認められず,表示材料としてのり応用は困難である。現在、スペーサー長の短い同族体のフィル性能並びに電場特性を検討中である。
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