1996 Fiscal Year Annual Research Report
面不斉シクロペンタジエニル金属錯体の合成と機能研究
Project/Area Number |
07454196
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 成年 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70029875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 史恵 大阪大学, 産業科学研究所, 教務職員 (30252711)
宇野 晃成 大阪大学, 産業科学研究所, 講師 (20213473)
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Keywords | 面不斉 / シクロペンタジエニル錯体 / 鉄錯体 / ルテニウム錯体 / 光学活性金属錯体 / アレーン ルテニウム錯体 / アルキル鉄錯体 |
Research Abstract |
本年度は、面不斉シクロペンタジエニル鉄およびルテニウム錯体の合成を試み、下記の成果を得た。 (1)1-エトキシカルボニル-2、4-ジメチルシクロペンタジエン(CP^1H)と鉄ペンタカルボニルをノルボルネンの共存下に反応させ、[CP^1Fe(CO)_2]_2(1a)を85%収率で得た。同様に、1-エトキシカレボニル-2-メチル-4-フェニルシクロペンタジエン(Cp^2H)から[CP^2Fe(CO)_2]_2(1b)を74%収率で得た。1a、1bから常法によりヨウ素体CP^1Fe(CO)_2I,CP^2Fe(CO)_2Iやメチル体CP^1Fe(CO)_2Me(3a),CP^2Fe(CO)_2Me(3b)を合成した。 (2)1で合成した3置換シクロペンタジエニル鉄錯体はラセミ混合物である。そこで、以前に光学活性フェロセン誘導体の光学分割での経験をいかし、シクロデキストリンを用いる分割法を検討した。その結果、ポリアミドを固定相に、β-シクロデキストリンの飽和水溶液を移動相に用いたカラムクロマトグラフィーで3bを光学分割する方法を見いだした。 (3)1-(-)ーメントキシカルボニル-2、4-ジメチルシクロペンタジエン(Cp^3H)をタリウム塩(Cp^3Tl)に導き、それと(Ru(C_6H_6)Cl)_2とを反応させ、面不シクロペンタジエニルルテニウム錯体(Cp^3Ru(C_6H_6)](PF_6)(4)をジアステレオマ-混合物として得た。4をエタノール-水から分別再結晶し、(R)-4と(S)-4を光学的に純粋なジアステレオマ-として単離した。絶対構造はX線分子構造解析により決定した。 (4)(R)-4と(S)-4を、加水分解によりメンチル基を除去して酸塩化物とした後、アニリンと反応させてアニリドに導くことにより、各々を光学的に純粋なエナンチオマー(+)-5,(-)-5として合成・単離することに成功した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Takahashi,et al.: "Synthesis and Property of Planar-chiral Cyclopentadienyl-ruthenium Complexes." Chem.Lett.677-378 (1996)
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[Publications] S.Takahashi,et al.: "A New Anion Receptor Based on (Trisubstituted cyclopentadienyl)ruthenium (II) Complexes." Chem.Lett.839-840 (1996)
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[Publications] S.Takahashi,et al.: "Optical Resolution of Planar-Chiral Cyclopentadienyl-Rhodium and -Iron Complexes ・・・・・" Chem.Lett.887-888 (1996)