1995 Fiscal Year Annual Research Report
異種のフテロ元素の特性を活用したハイブリッド型不斉触媒の開発
Project/Area Number |
07454197
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 芳雄 九州大学, 理学部, 助教授 (00221086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香月 勗 九州大学, 理学部, 教授 (40037271)
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Keywords | 不斉触媒 / イミダゾール / ピラゾール / ヘテロ環化合物 / 不斉プロトン化 / 不斉マイケル付加反応 / 不斉エポキシ化 / サレンマンガン錯体 |
Research Abstract |
本研究は異種のヘテロ元素の特性を活用したハイブリッド型不斉触媒を開発し新しい不斉反応の可能性を開拓するものである。まず、不斉配位子としてイミダゾール誘導体の合成を検討した。従来の触媒的不斉合成法は適用することができなかったので、光学活性な保護基の導入による不斉合成を検討した。光学活性な6-フェニルテトラヒドロピラニル基をイミダゾールの1位に導入後2位のリチオ化と続くアルデヒドへの付加により種々の(1-ヒドロキシアルキル)イミダゾール誘導体を合成した。また、光学分割による合成も行った。一方、ピラゾール誘導体の合成も検討し、軸不斉ピラゾール誘導体が得られた。 これらの光学活性なヘテロ環化合物を不斉配位子として種々の反応に用いた。その結果、エノラートの不斉プロトン化でイミダゾール誘導体が60%eeを超える不斉誘起を示した。また、ランタノイド金属イオンを用いる不斉マイケル付加反応では軸不斉ピラゾール誘導体が有用で、50%ee以上の付加体が得られた。最後にサレンマンガン錯体と今回合成したヘテロ環化合物とのハイブリッド型不斉触媒による反応を検討した。サレンマンガン錯体は遊離のオレフィンの不斉エポキシ化の触媒として大変有用であることが筆者らの研究等により既に明らかになっている(有合化,53.940(1995))。この錯体に光学活性な軸配位子を導入すればさらに有用な反応になると期待される。そこで、まず光学活性な軸配位子による不斉誘起能を明らかにする目的で、アキラルなサレンマンガン錯体と種々の光学活性な軸配位子とのハイブリッド化を検討した。その結果、今回合成したイミダゾール誘導体を用いた時に初めて20%eeを超える光学純度のエポシキドが得られることが判明した。高くはないが不斉誘起が観測されたことは、反応機構などを考察するうえで大変重要である。また、不斉触媒反応における新しい方法論を提供するものとして実用上も有用であると考えている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H. Kitajima: "Asymmetric Simons-Smith cyclopropanation of E-Allylic Alcohols Using 1,1'-Bi-2-naphthol-3,3'-dicarboxamide as a Chiral Auxiliary" Chemistry Letters. 1995. 1113-1114 (1995)