1996 Fiscal Year Annual Research Report
ラン藻と葉緑体のRNA結合蛋白質の機能に関する研究
Project/Area Number |
07454204
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉田 護 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (70154474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 哲郎 名古屋大学, 遺伝子実験施設, 助手 (30273220)
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Keywords | 葉緑体 / RNA結合蛋白質 / ラン藻 / リボヌクレオプロテイン粒子 / mRNAプロセシング / 転写後制御 |
Research Abstract |
ラン藻と葉緑体のRNA結合蛋白質の機能に関する研究を行った。本研究で得られた主な成果は次の通りである。 1 単細胞性ラン藻Synechococcus PCC6301株のRNA結合蛋白質Rbp1とRbp2は細胞質中に局在しRNA分子と結合していることを明らかにした。Rbp2遺伝子をノックアウトしても細胞増殖には影響しないが、Rbp1遺伝子をノックアウトした形質転換ラン藻が得られなかったことから、Rbp1遺伝子がラン藻にとって必須の遺伝子であることが判明した。現在、Rbp1とRbp2のターゲットとなっているRNA成分の分離同定を行っている。 2 葉緑体RNA結合蛋白質の機能を明らかにするため、葉緑体mRNAのプロセシング反応に及ぼす効果をin vitro反応系で調べた。その結果、葉緑体のin vitro反応系からRNA結合蛋白質を完全に除くと、mRNAのプロセシング反応が若干促進することが判明した。RNA結合蛋白質がmRNAのプロセシング反応に対して負の制御をしていることが示唆された。 3 葉緑体RNA結合蛋白質に似た構造をもつ核内RNA結合蛋白質(RZ-1とRGP-3)をコードするcDNAをタバコ属の一種Nicotiana sylvestrisから単離しその推定アミノ酸配列を決定した。RZ-1は核内mRNAに結合して60Sの沈降係数をもつ大きなリボヌクレオプロテイン粒子を形成していることから、前駆体mRNAのプロセシングに関与していると考えられる。RGP-3は10Sよりも軽い粒子として核内に存在していた。今後、植物の核内リボヌクレオプロテイン粒子の構成成分を明らかにするとともに、本研究で示唆されたRGP蛋白質の機能をin vitroで検証する必要がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 花野滋: "Isolation of a novel RNA-binding protein and its association with a large ribonucleoprotein particle present in the nucleoplasm of tobacco cells." Plant Molecular Biology. 31. 57-68 (1996)
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[Publications] 金子貴一: "Physical and gene maps of the unicellular cyanobacterium Synechococcus sp.strain PCC6301 genome." Plant Molecular Biology. 31. 193-201 (1996)
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[Publications] 花野滋: "Structure and expression of the tobacco nuclear gene encoding RNA-binding protein RZ-1 : the existence of an intron in the 3′-untraslated region." DNA Research. 3. 65-71 (1996)
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[Publications] 藤城常雄: "Organization and transcription of a putative gene cluster encoding ribosomal protein S14 and an oligopeptide permease-like protein in the cyanobacterium Synechococcus PCC 6301." DNA Research. 3. 165-169 (1996)
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[Publications] 杉田護: "Regulation of gene expression in chloroplasts of higher plants." Plant Molecular Biology. 32. 315-326 (1996)
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[Publications] 守口和基: "Structure and subcellular localization of a small RNA-binding protein from tobacco." Plant Journal. (印刷中). (1997)