1995 Fiscal Year Annual Research Report
温血脊椎動物染色体バンド境界部位の構造と機能について
Project/Area Number |
07454207
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
池村 淑道 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 教授 (50025475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天前 豊明郎 国立遺伝学研究所, 集団遺伝研究系, 助手 (70270460)
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Keywords | 染色体バンド構造 / 温血脊椎動物 / GC含量 / MHC領域 / 性染色体 / PAR領域 / 複製タイミング / PABL |
Research Abstract |
温血脊椎動物のゲノムDNAはGC含量のMbレベルでの区分的構造よりなり、その区分構造が染色体バンド領域と関係することを明らかにしてきた。染色体バンドならびにGC含量巨大モザイク構造の機能上の意味と、それらが形成された進化機構を知る目的で、バンド境界と考えられるGC含量巨大モザイク境界の構造解析を行なった。GC含量が大きく変化する部位の例をヒトMHC領域のクラスIIとクラスIIIの境界部位に同定し、その部位に大規模AluクラスターとLINE-1クラスター並びにpseudoautosomal boundary(PAB)と相同性の高いPABL配列を見い出した。PABはXY染色体のPARと性特異的配列との境界であり、X不活化や高頻度の相同組換えの境界点と想定されている。PABLがヒト染色体上並びにウシ染色体上に多数存在することも見いだした。MHC領域のPABLをプローブにして、既に約200個の独立なヒトPABLを持つクローンを得ている。そのうち20個のPABLの塩基配列を決定し、5'と3'の両端とも正確に保存されていることが判明した。PABL配列から転写が起きていることが、cDNAのクローン化により明らかになり、650塩基のPABL配列を骨格として、大型のRNA分子として存在することが判明した。RNA配列においても、5'と3'の両端とも正確に保存されており、機能を持つ分子として進化の過程で保持されてきたことが示唆される。GC含量変移点近傍の複製タイミングも詳細に決定できた。これらの結果は、Huma Mol.Genet.(1996)に発表した。PABLやLINE-1ならびにAluの高密度クラスターが、GC含量の巨大区分構造およびバンド領域の境界の一般的性質であるのかを検証しようと試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 深川竜郎: "A Boundary of Long-Range G+C% Mosaic Domains in the Human MHC Locus:Pseudoautosomal Boundary-like Sequence Exists near the Boundary" GRNOMICS. 25. 184-191 (1995)
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[Publications] 深川竜郎: "Human pseudoautosomal boundary-like seqvences:expression and involvement in evolutionary formation of the present-day pseudoautosomal boundary of human sex chromosomes" Human Molecular Genetics. 5. 23-32 (1996)
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[Publications] 中村保一: "Codon usage tabulated from the international DNA sequence databases" Nucleis Acids Research. 1. 214-215 (1996)