1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454212
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菊池 泰二 九州大学, 理学部, 教授 (60037190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 敬介 九州大学, 理学部, 助手 (50243887)
田中 雅生 九州大学, 理学部, 助教授 (30037238)
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Keywords | 転石地潮間帯 / 岩礁潮間帯 / ベントス群集 / 浮遊幼生 / 捕食者排除実験 / 室内給餌実験 / 食物網 / 地理的変異 |
Research Abstract |
本研究は、転石海岸生物群集におけるギルド間の相互作用を明らかにし、岩盤の群集との比較を通して、特徴的な群集構造の形成維持機構を明らかにする事を目的としており,研究の初年度に当たり,以下の定量調査,野外・室内実験を実施した. 1.転石群集:群集構造の定量調査を季節ごとに実施した.捕食者(底生魚類,ヒトデ,肉食性巻貝,カニ類)の摂餌状況の現場観察・野外実験、室内給餌実験を実施し,藻食性貝類およびヒライソガニが主要な餌となっていることが示された.巻貝5種のマ-キングによる短期(2週間)の移動能力の調査を実施し,種間で行動特性に大きな差が認められた.うち捕食性の2種については半年以上継続して追跡中である(移動,成長).捕食者の排除、付加の野外ケージ実験を予備的に実施し,ケージの改良を行った. 2.岩盤群集:波浪程度の異なる2地点で群集構造の定量調査を実施した.固着動物各種(フジツボ,二枚貝)の季節的加入とその後の成長に伴う種内・種間の空間競争と生残率の追跡調査を実施した.フジツボ類は浮遊幼生の出現と潮汐周期との関連を野外調査により検討した.捕食性巻貝(イボニシ、シマレイシダマシ、レイシ)の分布と移動についてデータを整理した. 3.比較研究として鹿児島県の桜島溶岩地帯(形成時期が明らか,転石の段組みが深い)の転石および岩礁潮間帯群集の定量調査を実施し,現在データ解析中である.また,転石地と岩礁の群集構造の比較の一般化を行うために,屋久島の海岸線の転石地と岩礁の群集構造について予備調査を実施した.転石地における藻食者の卓越性はここでも見られ,一般性が言えそうである.
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