1995 Fiscal Year Annual Research Report
脳下垂体のホルモンおよびホルモン様物質による脳下垂体の機能調節
Project/Area Number |
07454226
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菊山 榮 早稲田大学, 教育学部, 教授 (20063638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊田 敏輝 早稲田大学, 教育学部, 助手 (80267468)
高橋 則行 早稲田大学, 人間総合研究センター, 助手 (80267450)
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Keywords | 両生類下垂体 / ホルモンの共存 / ホルモン分泌調節 / プロラクチン / 糖タンパクホルモンのαサブユニット / 成長ホルモン |
Research Abstract |
ウシガエルプロラクチン細胞中に免疫陽性糖タンパク質ホルモンのαサブユニットが存在するという発見に基づいて、更に研究を行った結果、解離したプロラクチン細胞の約10%にあたる細胞からαサブユニット様物質が確かに放出されることをセルブロットアッセイ法で確かめた。また放出される同物質は分子量からフリーのαサブユニットのそれに一致することがわかった。またαサブユニットはプロラクチンの放出を促進することがわかり、プロラクチン細胞内のαサブユニット様物質がオートクラインまたはパラクライン的にプロラクチンの分泌を調節していることが示唆された。 一方アフリカツメガエル下垂体の免疫組織学的研究によって我々はアクチビン/インヒビンβ_B様物質がGTHのみならずTSHおよびGH細胞にも存在することを見いだした。TSHやGH細胞に上記物質が存在することは新知見であり、この物質がどのような役目を持っているかを知るのが今後の課題である。 また、ウシガエル成体の解離下垂体細胞を培養し、セルブロット法で調べると、同一の細胞がプロラクチンとGHを共存させていることもわかった。生体内では下垂体細胞はプロラクチンとGHともに含む例は発生の初期にしか見られない。このことは成体の生体内では下垂体細胞がプロラクチンおよびGHのいずれかのmRNAしか発現しないか、mRNAはあってもタンパクへの翻訳が抑えられているのかどちらかであると考えられた。1)プロラクチンおよびGHcDNAをプロープとしてin situハイブリダイゼーション法で調べたところ両者のmRNAをもつ細胞が存在すること、2)解離細胞ではタンパク合成阻害剤でプロラクチン、GH両者を分泌する細胞は減少し、mRNA合成を阻害しても両ホルモンを分泌する細胞の出現に影響を及ぼさぬことから、成体内ではプロラクチン、GHのいずれかの翻訳が抑えられており、解離すると抑制がはずれることが示唆された。
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[Publications] Yamamoto, K.: "Development and application of a homologous radioimmunoassay for Xenopus prolactin" Gen. Comp. Endocrinol.99. 28-34 (1995)
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[Publications] Mancuso, A. M.: "Pituitary immunocytochemistry and prolactin levels in hypophysectomized female newts, Triturus carnifex Laur" Boll. Zool.62. 239-242 (1995)
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[Publications] Polzonetti-Magni, A.: "Growth hormone and prolactin in amphibian reproduction" Zool. Sci.12. 683-694 (1995)
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[Publications] Mosconi, G: "Plasma prolactin levels related to changes of salinity in the green water frog, Rana esculenta" Netherland J. Zool.53. 53-56 (1995)
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[Publications] Uchiyama, H.: "Occurence of immunoreactive activin/inhibin βB in gonadotrophs thyrotrophs and somatotrophs of Xenopus pituitary" Gen. Comp. Endocrinol.(in press). (1996)
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[Publications] Oguchi, A.: "Release of alphasubunit of glycoprotein hormones from the bullfrog pituitary: Possible effect of alphasubunit on prolactin cell" Gen. Comp. Endocrinol.(in press). (1996)