1995 Fiscal Year Annual Research Report
ステビア属植物における形態・生態・染色体の進化傾向:分子系統学的アプローチ
Project/Area Number |
07454235
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
矢原 徹一 九州大学, 理学部, 教授 (90158048)
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Keywords | キク科 / 種間比較 / 染色体数 / 分子系統 / matK / Stevia |
Research Abstract |
本研究は、分子系統学的手法でステビア属およびその近縁植物の系統関係を推定することにより、染色体数、交配システム、世代時間などが進化の過程でどのように相関して変化したかを明らかにすることを目的としている。本年度はその第1年度にあたり、以下の研究を行った。 (1)葉緑体上にあり、属内レベルの系統解析に有用だと考えられるmatK遺伝子をPCRで増幅した。既知のプライマーでは安定して増幅されなかったので、増幅された配列をもとにinternalprimerを設計した。このプライマーを用いて、まずステビア属数種とその近縁属の配列を決定し、系統解析をすすめている。このレベルではmatK遺伝子の配列は系統学的に利用できるサイト変異の情報を提供することがわかった。系統解析の結果、染色体数が減少したことが示唆された。しかしまだ、配列決定が完了した種数が限られている。現在20種ほどについての配列決定作業が進行中であり、この作業が終われば系統関係についてはっきりした結論が得られる見通しである。 (2)染色体数n=11,12の変化がくりかえし起きた可能性が示唆された。そこでさらに詳しく染色体数を調査したところ、近縁種間でn=11,12の変化がみられるだけでなく、S. oliganoidesという種内に両者の多型が見い出された。n=11,12の多型が2倍体レベルで広く維持されている可能性があり、さらに検討を必要とする。
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