1995 Fiscal Year Annual Research Report
Th_2Zn_<17>及びBaAl_4型Ce,U三元系化合物の重い電子基底状態
Project/Area Number |
07454244
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
紺谷 雅昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 孝 名古屋大学, 理学部, 助手 (10218117)
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Keywords | 重い電子系 / NMR / 圧力 / 単結晶 / 磁場中比熱 |
Research Abstract |
我々は2年前にTh_2Zn_<17>型Ce_2Cu_8Al_9及びBaAl_4型CeCuAl_3の単結晶育成に成功し低温物性測定の結果、前者は巨大C/T(〜2J/K^2mole-Ce)の磁気秩序を示さない新重い電子系物質であり、後者はKondo効果とRKKY相互作用とが競合する新重い電子系反強磁性体である事を明らかにした。これに続いてTh_2Zn_<17>(Ce,U)_2)T_xX_<17-x>及びBaAl_4型(Ce,U)TX_3,T=遷移金属,X=非遷移金属,を種々合成し、X線回折と低温物性測定により物質評価と重い電子探索を行った。今年度の成果としては、Ce_2Mn_xAl_<17-x>,U_2Cu_x(Al,Ga)_<17-x>系はTh_2Zn_<17>型構造を、CeCuGa_3はBaAl_4型構造を持つ事を確認した。U_2Cu_8Al_9,U_2Cu_<10>Ga_7,CeCuGa_3については単結晶の育成にも成功し、いずれも重い電子系に属する事を明らかにした。5.2Tまでの磁場中比熱測定の結果U-Cu-(Au,Ga)系のC/T(〜1J/K^2mole-U)は磁場により殆ど減少せずCe-Cu-Al系と著しく異なる興味ある結果が得られ、mulchi-channel Kondo効果が示唆された。 CeCuAl_3,CeCuGa_3についてCu,Al,Ga核のNMR(Knight shift K,relaxation rate 1/T_1)測定を行い、超微細相互作用、e^2qQ相互作用を通して4f電子および伝導電子状態、スピンのゆらぎ、反強磁性秩序状態等について重要な微視的情報を得た。更に、CeAl_2,CeCuAl_3について15kbarまでの高圧下で^<27>AlのNMR測定を行い、K,1/T_1およびT_Nに対する圧力効果を調べた。CeCuAl_3のK,1/T_1の温度依存性は典型的な重い電子反強磁性体CeAl_2の結果によく似ており、その圧力依存性は圧力によるT_Kの増加で説明でき、CeAl_2よりもさらに圧力に敏感である事が明らかになった。CeCuAl_3のT_Nは12kbar以上で消失した。上記Ce,U三元系について、それらの基底状態の性質を明らかにする為に、現在15Tまでの高磁場、0.4Kまでの低温、15kbarまでの高圧の多重極限下における比熱、磁化、電気抵抗及びNMR測定を準備中である。上記結果はLT21,Prague 1996に発表予定であり論文投稿準備中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Taniguchi: "Spin Gap Behavior of S=1/2Quasi-Two-Dimensional System CaV_4O_9" J.Phys.Soc.Jpn. 64. 2758-2761 (1995)
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[Publications] Y.Yasui: "Effects of Carrier Doping into the Misfit-Layer Compounds (La_<1-y>R_yS)_<1+α>VS_2(R=Sr and Pb) : Transport and Magnetic Studies" J.Phys.Soc.Jpn. 64. 3890-3896 (1995)