1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオチド結晶にみられる水蒸気圧誘起相転移の研究
Project/Area Number |
07454246
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
菅原 洋子 北里大学, 理学部, 教授 (10167455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
占部 久子 東京家政学院大学, 家政学部, 助教授 (00193970)
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Keywords | ヌクレオチド結晶 / 相転移 / 水蒸気圧 |
Research Abstract |
核酸の構成要素であるヌクレオチド結晶が、結晶周りの水蒸気圧に依存し相転移を起こす現象を見いだし、相転移機構の解明をめざし、X線回折法、ラマン分光法等をもちいて、相転移に伴う結晶水や格子振動の振る舞いの解析を進めている。平成7年度においては、 1.水蒸気圧誘起相転移が起こるアデノシン5'-モノフォスフェイトのナトリウム塩結晶(Na_2AMP)について、常温高水蒸気圧下における結晶構造解析を行った。常温高水蒸気圧下では10水和物であり、結晶内には、AMP分子のカラム構造、およびナトリウムイオンのチャネル構造が形成されていることが明らかになった。 2.これまで常温において、水蒸気圧を制御し、相転移の解析を進めてきたグアノシンについて、水蒸気圧制御下(0.8、1.5、2.2kPa)で、温度変化(室温〜90℃)の実験を行ない、X線回折法をもちいて構造変化を追跡した。常温での水蒸気圧変化と同様のヒステリシスを持った相転移が起こることを確認するとともに、転移温度の水蒸気圧依存性を明らかにした。 3.アデノシン5'-モノフォスフェイトのナトリウム塩結晶(Na_3AMP_2)、シチジン5'-モノフォスフェイトのナトリウム塩結晶(Na_2CMP)について、比較的大きな単結晶を得ることができたので、これを用いて格子振動領域(200cm-1以下)の偏光ラマンスペクトル測定を行った。本研究で注目している20-30cm-1領域に依存する核酸と共通した集団振動(Sモード)に、顕著な偏光特性が観測されることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)