1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07454247
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
甲斐 憲次 筑波大学, 地球科学系, 講師 (50214242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内野 修 気象庁観測部オゾン層解析室, 室長
木村 富士男 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10225055)
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Keywords | 環八雲 / ライダー / 大気汚染 / 混合層 / 海陸風 / ヒートアイランド |
Research Abstract |
本年度の前半は、環八雲に関する都市気候学的解析および総合観測の結果を取りまとめた.8月には,筑波大学・東京都立大学・東京商船大学のほか石川島播磨重工業K.K.光プロジェクト部,東京都環境科学研究所の協力を得て,環八雲の総合観測を実施した.後半は総合観測の解析を進めると共に,環八雲の航空機観測とモテリングの方法を検討した.主な実績を列挙すると,以下のようである. 1.都市気候学的解析(1988年8月21日)東京都大気汚染常時測定局などの地上気象資料を用いた都市気候学的解析より,環八雲の形成機構を次のように推論した.すなわち,環八雲は(1)環状八号線沿いのヒートアイランドによる上昇気流,(2)東京湾と相模湾からの海風の収束,(3)水蒸気・エアロゾルの供給の条件が重なったとき,環状八号線道路上空で発生する.また,静止気象衛星の画像でも,環状八号線沿いに細長く延びる積雲列,すなわち環八雲が確認された. 総合観測(1994年8月)1994年の夏は猛暑となり,午後には海風が発達し,しばしば複数の積雲列(環八雲)が観測された.特に顕著な環八雲が観測された8月8日15時の場合,環八雲は混合層の直上高度約1,100mに出現した.この領域は,混合層と自由大気の間のエントレーメントゾーンに相当する.混合層内は南風(海風),積雲より上は東風であった.観測された雲の形状が複数列で筋状であることから,収束曇のほか、「風シア-中の熱対流」という視点から形成機構を説明することもできる. 総合観測(1995年8月)1995年の夏は昨年同様猛暑となったが,観測期間中の8月上旬.環八雲は出現しなかった。このことは、太平洋高気圧のもつ気団の性質(湿度,凝結高度など)が環八雲の形成にとって重要であることを示唆している.8月4日には,海風前線がメソスケールの規模で都心のダストを内陸に輸送する現象が観測された.
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[Publications] 甲斐憲次ほか: "1994年8月,東京都世田谷区上空で観測された積雲列(環八雲)について-速報-." 天気. 10. 715-719 (1995)
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[Publications] 甲斐憲次ほか: "ライダーネットワークによる東京エアロゾル層の観測" 第17回レーザセンシングシンポジウム予稿集. 17. 167-170 (1995)
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[Publications] 中島勇人,甲斐憲次ほか: "2μmHoレーザを用いたミ-散乱レーザレーダ" 第17回レーザセンシングシンポジウム予稿集. 17. 51-52 (1995)
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[Publications] 甲斐憲次ほか: "ライダーネットワークによる環八雲の形成機構に関する観測" 第21回リモートセンシングシンポジウム講演論文集. 21. 91-94 (1995)
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[Publications] 甲斐憲次ほか: "東京環状八号線道路付近の上空に発生する雲(環八雲)の事例解析-1989年8月21日の例-" 天気. 8. 417-427 (1995)
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[Publications] Kai, K. et al.: "Coincident lidar and radiosondeobserations of the Kampachi Cloud" XXI IUGG General Assembly Boul-der, Colorado July 2-14 1995 abstract. HA51B-13 (1995)