1996 Fiscal Year Annual Research Report
植物における染色体特異的ペインティング法の開発と応用
Project/Area Number |
07454254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
日詰 雅博 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30116967)
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Keywords | 染色体ペインティング / マイクロダイセクション / 植物染色体 / POD-PCR |
Research Abstract |
植物染色体のペインティングを行うために,マイクロダイセクション法による染色体単離法の確立,単離染色体からのDNAの増幅,及び,in situハイブリダイゼーション法(ISH)の検討を行った。染色体のマイクロダイセクションについては,用いるガラス針の先の太さ,染色体標本の作製法,標本の状態,標本の保存法について検討を行った。染色体標本の種々の作製法を比較した。最初に,PCR法に適するかどうかを検討したが,いずれの標本でもPCRに用いることが出来ることが分かった。染色体を特定してマイクロダイセクションを行うために,染色体の同定が必要であるので,分散した染色体が効率良く得られる酵素処理-押しつぶし法が最適であった。染色体標本が乾燥すると硬くなるので,標本作製後直ちに実験に用いることが重要であった。染色体標本を保存する場合には70%エタノール中で可能であった。単離核あるいは染色体を,プロナーゼKとトリプシン処理を検討したが,無処理のものとPCRには格別の差はなく,汚染を減らすために無処理が良いことが分かった。DOP-PCR法で増幅したDNAにゲノムDNAをプローブとするドットブロットハイブリダイゼーションを行うことにより,単一の染色体からDNAを増幅することが分かった。一方,ゲノムDNAをプローブとするISHの条件を決定した。実験には,異質倍数体のツルボを用い,親ゲノムDNAをプローブにして,全染色体ペインティングを行い,明瞭なゲノムの染色体ペインティングを得ることが出来た。次に,単離した一個の染色体から,PCRによりDNAを増幅し,それをプローブとして,染色体ペインティングを試みた.これまでの実験では,全染色体に一様にシグナルがみられ,特定染色体のペインティングは成功しなかった。今後,特定染色体のペインティングが出来るようにISHの条件を設定する必要がある。
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Research Products
(1 results)