1997 Fiscal Year Annual Research Report
インターカレーションによる複合銅酸化物の電子相転移の研究
Project/Area Number |
07455001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小池 洋二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70134038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅恒 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50211850)
野地 尚 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50180740)
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Keywords | 高温超伝導 / インターカレーション / Bi-2222相 / Bi_2Sr_2(Gd_<0.82>Ce_<0.18>)_2Cu_2O_<10+δ> / Bi-2212相 / 酸化物高温超伝導体 |
Research Abstract |
1.Bi-2222相の焼結体試料は、Bi-2212相と異なり、高酸素圧下でアニールすることによって、はじめて超伝導を示すことが知られている。本研究では、高酸素圧アニールの代わりに、ハロゲンのインターカレーションによるBi-2222相Bi_2Sr_2(Gd_<0.82>Ce_<0.18>)_2Cu_2O_<10+δ>の超伝導化をめざした。すなわち、インターカラントとホストとの間の電荷移動によってホストのCuO_2面にキャリヤ-を供給し、超伝導化させることを試みた。ハロゲンとしてI_2、Br_2、IBrを選び、いずれのインターカレーションにも成功したが、超伝導は、I_2の場合は現れず、Br_2でわずかに現れ、IBrでTc=20Kのバルクの超伝導が出現した。超伝導の現れ方のハロゲンによる違いは、インターカレートされたハロゲンのイオン化率の違いによると解釈できた。また、Bi-2222相の超伝導出現における高酸素圧アニールの役割については、よく理解されていなかったが、本研究から、CuO_2面の酸素欠損の補填ではなく、過剰酸素によるCuO_2面への十分なキャリヤ-の供給であると結論できた。 2.Bi-2212相のインターカラントとしては、ハロゲン(I_2,Br_2,IBr)やAgI、Hg_2Cl_2が知られているが、本研究では、新しいインターカラントの探索も行った。インターカラントの候補物質として、(1)ハロゲン化物(BiO-BiO二重層は正に帯電しているので、負にイオン化しやすいものがよいため)、(2)比較的大きい分子(インターカレーションよるc軸長の大きな増大が得られるため)、(3)融点、沸点が低い物質(蒸気反応法で作製するのに便利なため)(4)昇華性のある物質、を選んだ。実際にインターカレーションを試みた物質は、NH_4I、BiBr_3、AlI_3であった。しかし、残念ながら、いずれの物質もインターカレートさせることはできなかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A.Fujiwara: "Changes of the Dimensionality andTc through the Iodine Intercalation and Oxidation in Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ> Single Crystals" Phsical Review B. 52・21. 15598-15606 (1995)
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[Publications] Y.Koike: "Dimensionality,Tc and Cu-Site Substitution Effect of Iodine-Intercalated and Oxidized Bi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ> : Interpretation by the Multilayer Model" Physica C. 263. 329-332 (1996)
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[Publications] T.Kluge: "Iodine Intercalation in Bi_2Sr_2Ca(Cu_<1-Z>Co_Z)_2O_<8+δ> with Different δ Values" Physical Review B. 54・1. 86-89 (1996)
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[Publications] T.Kluge: "Carrier-Dependent Tc-Suppression in Cu-Site Substituted High-Tc Cuprates" Czechoslovak Journal of Physics. 46・Suppl.S3. 1443-1444 (1996)
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[Publications] Y.Koike: "Superconductivity in the Halogen-Intercalated Bi_2Sr_2(Gd_<0.82>Ce_<0.18>)_2Cu_2O_<10+δ> of the Bi-2222 Phase" Physica C. 282-287. 1265-1266 (1997)