1995 Fiscal Year Annual Research Report
エバネッセント光励起による単原子層エッチングのSTM観察
Project/Area Number |
07455005
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 康二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10107443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚田 雅彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教務職員 (70262045)
目良 裕 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40219960)
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Keywords | 単原子層 / エッチング / 光励起 / STM / RHEED / ハロゲン / 半導体 / 電子励起 |
Research Abstract |
表面1原子層毎のエッチング(単原子層エッチング)を実現する方法として、全反射エバネッセント光により表面に物理吸着した反応性分子層を励起し、表面の単原子層だけを選択的に脱離させることを試みている。どのような条件(特に表面ステップや欠陥の役割)で単原子層エッチングが実現するかを、表面のエッチング形状を原子レベルで直接観察可能な超高真空走査トンネル顕微鏡(UHV-STM)を用いて実空間で調べるため、実験準備中である。今年度は、(1)レイヤーバイレイヤーエッチング過程のその場モニターにRHEED振動を用いて励起スペクトルの測定を行うため、RHEED装置を本実験で用いるUHVチャンバーに設置した。(2)UHVチャンバー内に残留しやすい余剰の反応性ガスや脱離ガスをトラップし、STM観察を常時可能とするために、試料まわりにTiサブリメーションポンプを設け、STMチャンバーの排気性能の強化を図った。(3)当初の計画では反応性ガスとしてSF_6を想定していたが、その後の検討により、ハロゲンガスの方が単原子層エッチングへの適合性がより高いことが分かったため、電気分解セルから発生する原子状塩素および臭素を用いることとし、現在セルを製作中である。(4)ハロゲンガスの場合、脱離反応を誘起する光として紫外光を用いるほうが有効であるため、反応槽へNdYAGレーザーの3倍高調波紫外光を導入し、超高真空中で劈開したGaAs(110)面について予備的な実験を行った。しかし、用いた照射強度(5mJ/5nsパルス)では、照射前観察可能であった原子像が数パルス照射後見えなくなってしまう。その原因として、レーザー光により脱離した原子が STM探針を汚染してしまう、光照射によって生じる表面起電力によって付加的トンネル電流が流れ試料と探針の衝突が起こってしまう、などが考えられるが、現在調査中である。
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[Publications] Satoshi Sugita: "Origin of Low Frequency Noise and 1/f Fluctuations in STM Tunneling Current" J.Appl.Phys.(in press). (1996)
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[Publications] Koji Maeda: "Enhancement of Dislocation Mobility in Semiconducting Crystals by Electronic Excitation" North-Holland (in press), (1996)