1997 Fiscal Year Annual Research Report
Si(100)基板上へのCeO_2(110)膜のエピタキシャル成長
Project/Area Number |
07455012
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Research Institution | Iwaki Meisei University |
Principal Investigator |
井上 知泰 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (60193596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 康博 法政大学, 工学部, 教授 (50139383)
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Keywords | 二酸化セリウム(CeO_2) / ヘテロエピタキシ / イオン化蒸着 / 電子ビーム照射 / 絶縁物薄膜 |
Research Abstract |
CeO_2はSiとの格子整合が最良の絶縁物であり,半導体デバイスへの有望な新材料である.本研究では従来法よりも低温で,低欠陥密度のSi(100)基板上のCeO_2(110)膜のエピタキシャル成長を実現し,ヘテロ界面の特性安定化を達成することを目的としている.蒸発分子部分イオン化装置を導入し,E-ガンからの蒸発物質の一部をイオン化し,運動エネルギを与えることにより,CeO_2膜のエピタキシャル成長を促進する方法(バイアス蒸着法)の実験的検討を進めた結果,基板に負バイアスを加えてCe^+,CeO^+,CeO_2^+等の陽イオンを表面に照射する場合も大きな結晶成長促進効果が認められたが,正バイアス印加の場合はその効果が更に大きいことが判明した.その結晶成長促進効果が負イオンではなく,電子照射の効果に基づくものであることを実験的に検証できたので,新たに電子ビーム照射装置を導入して,電子照射により表面原子にエネルギを加えて,より効率的な結晶成長促進を目指す研究を進めた. 本年度は最終年度であり、電子ビーム支援蒸着法によるエピタキシャル成長実験を推進するとともに、これ迄の研究成果を総括した。電子ビーム支援蒸着法において、基板表面に照射する電子ビームの加速電圧と電流密度の変化によるCeO_2エピタキシャル層の結晶性の変化を詳細に調べた.電子ビーム照射装置を用いたエピタキシャル成長温度の低温化の基礎検討実験を行ない,加速電圧を120,240,360Vと増加させると,エピタキシャル成長下限温度が順次740,720,710℃と低下することが実験から明らかとなった.これは従来の成長法に比べると100℃以上の低温化に相当するものである.また,これらのいずれの結果も同一の電圧のバイアスを印加したバイアス蒸着法によるCeO_2(110)層よりも結晶性が優れていることが分かった.電子ビーム支援蒸着法が極めて有効であることが立証できた.
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[Publications] T.Inoue: "Effect of Electron Incidence in Epitaxial Growth of CeO_2(110) Layers on Si(100) Substrates" Proc.Materials Research Society. 474. 321-326 (1997)
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[Publications] 井上知泰: "電子ビーム支援蒸着によるCeO_2(110)/Si(100)のエピタキシャル成長" 電子情報通信学会技術報告. CPM97-55. 19-26 (1997)
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[Publications] T.Inoue: "Low Temperature Epitaxial Growth of CeO_2(110) Layers on Si(100) Using Bias Evaporation" Proc.Materials Research Society. 441. 535-540 (1997)
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[Publications] T.Inoue: "Low Temperature Epitaxial Growth of CeO_2(110)/Si(100) Structure by Electron Beam Assisted Evaporation" Proc.16th Symp.Materials Science and Engineering,Hosei University. 115-120 (1998)
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[Publications] S.Shitara: "Si Deposition on CeO_2/Si(111)" Proc.16th Symp.Materials Science and Engineering,Hosei University. 109-114 (1998)