1995 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電性液晶中の局所層構造の放射光微小領域X線回折法による評価
Project/Area Number |
07455016
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
飯田 厚夫 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (10143398)
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Keywords | 強誘電性液晶 / ジグザグ欠陥 / 放射光マイクロビーム / 微小領域X線回折 / ナロ-ウォール |
Research Abstract |
本年度は計画初年度にあたり、システムの検討および装置の製作そしていくつかの予備実験を行った。 本研究で用いる放射光X線マイクロビーム光学系は、高エネルギー物理学研究所放射光実験施設において得られる放射光をX線源として申請者らが開発してきたもので、既に1μm以下の空間分解能が得られることは確認されている。本計画を遂行するに当たっては、ビームサイズとともに角度広がりが少ないことが必要とされるため、そのための光学系の最適条件を実験的に求めた。また、本システムの中心となる偏芯の極めて小さいX線ゴニオメータを、エアベアリングを用いた回転テーブルを用いて実現することとし製作を行った。回転精度は0.01度以下、偏芯もsub-μmになっている。その外、試料の精密位置決めのための治具を製作し、位置合わせの手法を開発した。 強誘電性液晶(CS1014)を用いた実験を開始している。強誘電性液晶中に見られる層構造欠陥であるzig-zag欠陥のうち、高空間分解能を要求されるnarrow wallと呼ばれる欠陥構造について実験を行っている。欠陥近傍の位置の関数として、ωおよびχ方向の層の変位を精密に測定している。これまでの実験結果によれば、narrow wall欠陥領域で層法線が位置の関数としてωおよびχ方向に湾曲していることが分かった。まだ測定数が限られており結論は得られていないが、偏光顕微鏡により観察される欠陥形状と層構造との間にも相関があることを示唆する結果も得られている。測定例を増やすとともに、従来からのモデルとの比較を行っている。
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