1996 Fiscal Year Annual Research Report
コヒーレントなX線によるスペックル像の観察とその表面構造解析への応用
Project/Area Number |
07455019
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
中谷 信一郎 東京大学, 物性研究所, 助手 (40198122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 敏男 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20107395)
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Keywords | スペックル / コヒーレンス / ピンホール / スリット / フラウンホ-ファー回折 |
Research Abstract |
スペックルの観察のためには、コヒーレントなX線の波面をピンホール等で取り出す操作が不可欠である。今年度はピンホール及びスリットを用いてX線の波面を絞って、その波面のコヒーレンスを確かめる測定を行った。具体的には、写真法と結晶分光法を用いた。 ◎写真法:直径10ミクロンのピンホールでX線の波面を絞って、この波面のフラウンホ-ファー回析パターンを測定する目的で原子核乾板で写真をとった。しかしX線の強度が不足しており、実験配置の制約からピンホールと乾板との距離も十分とれなかったため回折パターンの観察はできなかった。 ◎結晶分光法:写真法より角度分解能の優れた結晶分光法でフラウンホ-ファー回折パターンの測定を行った。始めはSi結晶の333反射を組み合わせた二結晶法で測定を行ったが、この光学系では角度分解能が十分でないことがわかったので、続いてSi結晶の422反射を5回繰り返すチャネルカット結晶を2個組み合わせた光学系で測定を行った。 その結果、ピンホールからのフラウンホ-ファー回折は回折X線の角度広がりを広げる働きをしていることは確かめられたが、回折線の副極大を観察するには至らなかった。次に円孔より強い回折の副極大がある矩形スリットで同様の実験をしたところはっきりとした副極大を観察できた。 この結果、スリットによってスペックルの観察ができる可能性が示せた。今回の実験はすべて研究室のX線発生装置で行ったが、放射光を用いればよりはっきりした結果が得られるであろう。
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