1996 Fiscal Year Annual Research Report
微斜面および高指数シリコン表面の熱平衡ステップ配列と通電効果
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07455021
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
箕田 弘喜 東京工業大学, 理学部, 助手 (20240757)
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Keywords | シリコン表面 / 熱平衡形状 / 表面電子顕微鏡 |
Research Abstract |
今年度は、我々が立案・設計した焼鈍用超高真空チャンバーが完成し、基本性能の確認作業を行い、その後本格実験を行った。試料としては、従来通り、超高真空電子顕微鏡を用いて観察してきたシリコン(110)ウエハを用いた。はじめは、電子顕微鏡用の試料と同じサイズの試料に直径0.4mmの円筒穴をうがち、装置の中で清浄化し、さらに清浄なシリコンブロックに試料を挿入し加熱した。試料はシリコンのヒーターに囲まれた状態で全体を1000以上の温度で長時間加熱し、円筒穴の形状の変化を観察した。その結果、温度を1000℃から1200℃の範囲で、それぞれ100時間程度の加熱を行ったが、穴の形状は、元々の円形からのずれが非常に小さく、加熱による形状変化はほとんど認められなかった。この原因としては、熱平衡条件からのずれが大きいためというよりも、穴の直径が大きすぎることによる、サイズ効果により、アニール時間が十分でないことが第一に上げられる。そこで、従来の円筒穴と比較して、直径が1/3程度の小さな穴をあけて同様な実験を行った。その結果、1100℃程度の高温での長時間アニールにより、穴の形状が変化するのが認められた。穴の形状の変化により、(111)面、(001)面、(113)面の面積が広がることがわかった。この結果は、これら面指数の低い表面が熱的安定であることを明瞭に示しており、我々が従来反射電子顕微鏡で見いだした多くの格子数面は、ステップ配列の変化や、通電効果によって形成される準安定な面であるという事を意味している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Suzuki,H.Minoda,Y.Tanishiro,K.Yagi: "REM Study of High Index Si(5 5 12) flat Surface" Surf.Sci.357-358. 335-343 (1996)
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[Publications] T.Senoh,H.Minoda,Y.Tanishiro,K.Yagi: "Quantitative studies of step bunching dynamics on Si(111) induced by a current effect" Surf.Sci.357-358. 518-521 (1996)
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[Publications] T.Suzuki,H.Minoda,Y.Tanishiro,K.Yagi,H.Kitada,N.Shimizu: "STM studies of Si(hhm) surfaces with m/h=1.4-1.5" Surf.Sci.357-358. 73-77 (1996)
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[Publications] H.Minoda,Y.Tanishiro,K.Yagi: "REM and TEM Studies of Thin Film Grswth Dynamics on Si Sartaces" MRS.Symp.Prcc. 404. 131-141 (1996)
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[Publications] H.Minoda,Y.Tanishiro,N.Yamamoto,K.Yagi: "In-situ TEM Obserrstions of Sufactaut-Media ted Epitaxy:Growth of Ge on Si(111) Surface Mediated by In" Surf.Sci. 357-358. 418-421 (1996)