1995 Fiscal Year Annual Research Report
波長以下の3次元空間に局在したエバネッセント光による微小光機能素子の実現
Project/Area Number |
07455035
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大津 元一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (70114858)
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Keywords | 近接場 / プローブ / プラズモン / ファイバ / 顕微鏡 |
Research Abstract |
受動型の微小光機能素子を実現するために、まずガラス基板に厚さ50nm程度の銀薄膜を蒸着し、銀薄膜上に表面プラズモンを励起した。なお、銀薄膜の厚さを均一にするために最適な蒸着条件を見い出した。特に、ガラスと銀との間にゲルマニウム薄膜を挟むと均一度が向上することを見い出した。また、蒸着速度を最適化することにより均質な膜が生成したことを確認した。次に、この銀薄膜の端面を明確に形成し、この端面において表面プラズモンを反射させ、入射する表面プラズモンとの間での干渉を起こさせた。明瞭度の高い干渉縞を得ることができ、それは伝搬長18μmにわたって観測された。これらは我々の開発した近接場光学顕微鏡によって観察した。さらに高い明瞭度の干渉縞を得るために、端面の急峻性を増すための銀薄膜蒸着を実現するためにフォトマスク法を開発した。この結果、急峻度は30倍程度向上した。今後、この干渉縞の位相を変調するための電気光学結晶上への銀薄膜蒸着法、さらに二光路干渉を実現するためのパターンニングの為の考察を行った。 これと並行して、非線形光学現象を示すナノ微粒子の励起を行うために、先鋭化ファイバプローブ先端に金属膜を蒸着し、先端に表面プラズモンを励起するための条件を考察した。 一方、このような光機能性プローブチップの一形態として、少量の色素分子を先端100nm以下まで先鋭化したファイバプローブの先端に付着させる方法を開発した。さらにその付着の安定化を計るためにプローブ先端をシラン化した。これにより得られた色素から発する蛍光を用いて画像計測を行い、このプローブが高感度の近接場光学顕微鏡に使用可能であることを確認した。 以上の実験により、当初の目標が達成でき、次年度へむけての準備が完了したことを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大津元一: "「フォトン走査トンネル顕微鏡技術」" 応用物理. 65. 2-12 (1996)
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[Publications] T. Saiki, S. Mononobe, M. Ohtsu, N. Saito and J. Kusano: ""Spatially resolved photoluminescence spectroscopy of lateral p-n junctions prepared by Si-doped GaAs using a photon scanning tunneling microscope"" Appl. Phys. Lett.67. 2191-2193 (1995)
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[Publications] R. Micheletto, H. Fukuda and M. Ohtsu: ""A Simple Method for the Production of a Two-Dimensional, Ordered Array of Small Latex Particles"" Langmuir. 11. 3333-3336 (1995)
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[Publications] M. Ohtsu,: ""Progress of High-Resolution Photon Scanning Tunneling Microscopy Due to a Nanometric Fiber Probe"" J. Lightwave Technol.13. 1200-1221 (1995)
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[Publications] Y. Toda and M. Ohtsu: ""High Spatial Resolution Diagnostics of Optical Waveguides Using a Photon-Scanning Tunneling Microscope"" IEEE Photonics Technol. Lett.7. 84-86 (1995)
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[Publications] R. Uma Maheswari, S. Mononobe and M. Ohtsu,: ""Control of apex shape of the fiber probe employed in photon scanning tunneling microscope by a multi-step etching method"," J. Lightwave Technol.13,. 2308-2313 (1995)