1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07455043
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
高木 堅志郎 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 啓司 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00215584)
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Keywords | フォノン / ブリュアン散乱 / 熱フォノン共鳴 / 音波緩和現象 / 非平衡状態 / 平行キャビティ / 円筒キャビティ |
Research Abstract |
我々はブリュアン散乱法に光ビ-ト分光技術を導入し、従来の方法より100〜1,000倍高い超高分解能を実現することに成功した。この光ビ-トブリュアン散乱法は物質の分子ダイナミクスを高精度で調べる上できわめて有効な手段であり、これまでに(a)ブリュアン・トリプレットの真の姿、(b)異方性分子の偏光解消散乱光の特異なスペクトル、(c)非平衡下におけるストークス・アンチストークスの非対称性の観測など、多くの成果を挙げてきた。本研究は、熱フォノンが示すさまざま現象の中でもとりわけ興味深いフォノン共鳴現象の物理的メカニズムを探求し、その新しい測定技術への応用の可能性を探ることを目的とした。フォノン共鳴とは、きわめて狭い空間にトラップされた熱フォノンが境界の存在を感じて共鳴するという非常に不思議な現象である。この現象はそれ自体物理的に興味深いのみならず、境界の近傍で特殊な構造や挙動を示す分子や極微少量の試料によるブリュアン散乱など、奥深い応用研究の可能性を秘めている。本研究ではまず、すでに完成している超高分解能光ビ-ト分光法を最適化し、特殊な条件下で非常にで有効な熱フォノン共鳴ブリュアン散乱法を確立した。これにより数100μmという微小領域において0.1%以上の精度でフォノンの位相速度を測定することが可能になった。境界近傍や微少量試料でのブリュアン散乱で最も深刻な問題点は、光が境界や試料容器で散乱されて非常に強い迷光を出し、微弱な信号光を隠してしまうことである。我々はさらに偏光変調ロックイン方式というまったく新しい光変調方式を開発し、前方散乱に近い1°以下の小角散乱でも十分に迷光分を取り除き、信号光の正しいスペクトル測定を可能にした。 さらに完成したフォノン共鳴測定装置を様々なソフトマテリアルの分子ダイナミクスの研究に応用する試みを開始した。
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[Publications] K.Hattori,K.Sakai,K.Takagi: "Brillouin scattering under temperrature qradient" Physica B Condensed Matter. 219&220. 553-555 (1996)
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[Publications] T.Ueno,K.Sakai,K.Takagi: "Simple and Coupled Process Reorientational Relaxation in Isotropic Phase of 6CB" Phys.Rev.E. 54. 6457-6461 (1996)